先日購入した”アイコム(ICOM) IC-R15 広帯域ハンディ受信機“に関する記事のなかで、
“かんたんモードでは2つの電波を同時に受信できるデュアルワッチ機能が使えないので、メモリチャンネルを活用すれば”かんたんモードライクなデュアルワッチ機能が利用できるはず
というお話をしました。今回のブログ記事では、実際にどのような操作手順で実現すれば良いのか?とか、その他知っておくと便利な機能などをご紹介します。
最初に余談から。今回ご紹介するブログ記事では”IC-R15″のスクリーンキャプチャ機能を活用しています。”MENU”画面の”SET”アイコンのなかにある”機能設定”で”スクリーンキャプチャ 電源キー”を選択すると、以降、電源ボタンを軽く押す毎にスクリーンキャプチャーを撮れるようになります。更に、その下にある”スクリーンキャプチャ 保存形式”では画像ファイルの種類を選択できます。例えば、”png”。
スクリーンキャプチャ機能って必要?と思う方がいらっしゃると思いますが、実際の空港、とりわけ軍の基地とか航空祭などでは、エアバンドをスキャンして聴きたいチャンネルをゲットすることが多いので、そんな時にスクリーンキャプチャ機能でメモっておけるのはとても便利だと思います。
保存したスクリーンキャプチャをパソコンに取り込むには、”MENU”画面の”SET”アイコンのなかにある”機能設定”で”USB接続”を選択し、”SDカードモード”を設定します。
“IC-R15″とパソコンをUSB-Cケーブルで接続後、”IC-R15″の電源をオンにすると、確認画面が表示されるので”はい”を選択します。ちなみに、”IC-R15″の電源をオンにしなければ、USB-Cによる充電が続行する仕組みです。
パソコン上に”IC-R15″にセットしたSDカードに保存されている内容が表示されますので、”Capture”フォルダに保存されている画像ファイルをパソコン側に移動させればOKです。ファイルを移動した後は”IC-R15″をアンマウントすれば完了です。
“IC-R15″には、前回話題にした”かんたん”の他に”お気に入り”という機能があります。この機能自体は便利に使えますが、ことデュアルワッチ機能を前提にすると、”かんたん”同様、シングル表示モード専用になってしまいます。”かんたん”、”お気に入り”ともにシングル表示モード専用になってしまうのは、メーカー曰く「シンプルな操作性を優先するため」だそうですが、それってメーカーの設計サイドの思い込みですよね。
個人的に2冊のマニュアル (PDF)を読んだ範囲で実際に試行錯誤した結果、デュアルワッチ機能モード (かんたんモードを解除した状態のモード)で分かりやすい表示とスマートな操作性を如何に実現できるかをまとめてみました。とにかく、マニュアルの記載を読み解くのは至難の業といった状況です。まずは、マニュアルを1冊にまとめて、単に機能別ではなく実際の活用シーンを意識したマニュアル作りが求められる気がします。
“MENU”画面の”メモリ管理”アイコンで、利用頻度が高い空港とエアバンドチャンネルを選択します。例では”グループ27 小松空港”の”小松GND”を選択しています。
ここで、”QUICK”ボタンを軽く押してメニューを表示し”コピー”を選択します。そして、もう一度”QUICK”ボタンを軽く押して”カテゴリー/グループ”を選択します。
コピー先として空いている”カテゴリーなし”のグループを選択後、未登録なチャンネル項目を選択すればコピーが完了します。例では”グループ27 小松空港”の”小松GND”を、空いている”86″というグループの2番目のチャンネルとしてコピーしました。
以下の操作は、“IC-R15″本体の”MR”ボタンを押してメモリ読み込みモードにしてから操作して下さい。
デュアルワッチ機能モード (かんたんモードを解除した状態のモード)の状態で、”QUICK”ボタンを軽く押して”カテゴリー/グループ切替”を選択し、先ほどコピーしたチャンネルが保存されている”カテゴリーなし”のグループを選択すれば、現在表示中の画面に”カテゴリーなし”のグループが割り当てられます。この時、”お気に入りモード”がオンになっていると、”QUICK”ボタンを軽く押しても”カテゴリー/グループ切替”項目はメニュー上に表示されません。とにかく、”かんたんモード”や”お気に入りモード”は解除してあることが重要なポイントです。
デュアルワッチ機能モード (かんたんモードを解除した状態のモード)の状態であれば、”IC-R15″本体の↓矢印を押せば上下画面ともに、”カテゴリーなし”のグループを割り当てることができます。
これで、個人的に想定していた運用ができるようになりました。
最後に今回感じたことをまとめておきます。
初心者の人でも受信機を使えるようにと、”かんたんモード”を導入したことは理解できます。ただ、結果的にモードが多くなり、かつ制約があったりして、全体の操作性を逆に複雑にしてしまった感があります。実際の飛行場では、複雑な操作性は仇になります。
マーケティング的には、初心者向けには”アイコム IC-R6 エアーバンドスペシャル“、ある程度の経験者向けには”アイコム(ICOM) IC-R15 広帯域ハンディ受信機“という棲み分けで、用途を明確にした販売を展開した方が良いのでは?と思います。一般的に考えても、6万円もする受信機を初心者が購入するとは思えませんしね。
経験者にとって、デュアルワッチ機能モードはとても魅力がある機能ですし、この機能があるので多少高額な商品でも買いたいと思うはずです。ですので、デュアルワッチ機能モードに悪影響がある他のモードは思い切って排除するか、”かんたんモード”をオフにするオプション機能があると良いと思います。なぜ、”かんたんモード”や”お気に入りモード”の時は便利なデュアルワッチ機能モードをわざわざ使えなくしたのか、ま、その辺りがそもそもユーザにとっては違和感がある仕様だと思います。
いずれにしても、通常、製品を購入後に読むマニュアルだけに制限事項を記載するのではなく、まずは商品ページに分かりやすく掲載する、というところから取り組むべきではないでしょうか?そういったユーザ視点こそが、メーカーの誠意だと思います。
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