UGREEN NASync DXP2800がわが家に届いたので早速セットアップしました (3)

iPhone, iPad, Vision Pro

 

UGREEN NASync” DXP2800の基本的なセットアップが完了したので、使い勝手などをいろいろ検証してみました。

 

個人フォルダとユーザフォルダの違い、使い分けなど

DXP2800内の”ファイル”アプリで、DXP2800に実装したハードディスクやSSDなどに保存したアイテムを閲覧できます。

ここで気になるのは、”個人フォルダ (SMBを介すると”personal_folder”)”と”ユーザフォルダ”の2種類の存在。これから、いろいろなアプリを利用する際、どちらのフォルダを選択すれば良いのか疑問。

UGREEN NAS

で、”ChatGPT”に聞いてみることにしました。”ChatGPT”がざっくりまとめてくれた表です。

フォルダ種類

誰がアクセス可能?

作成されるタイミング

主な用途

個人フォルダ

原則として本人のみ

ユーザー作成時に自動生成

プライベートなファイル保管

ユーザフォルダ

設定次第で他ユーザーも可

管理者 or ユーザーが手動作成

共有・グループ作業用

と言われても良く分かりませんね。実際に”UGREEN NAS”アプリを操作した結果、自分なりの解釈は以下の通りです。

“個人フォルダ”は、結局のところDXP2800で最初に作成した管理者用のフォルダで、管理者のフォルダが最初に”ユーザフォルダ”に作成されます。試しに、”個人フォルダ”にアイテムを保存すると、同じアイテムが”ユーザフォルダ内の管理者名のフォルダ”にも作成されます。つまり、管理者 = 自分自身で、かつ自分しかユーザがいない場合は、”個人フォルダ” = “ユーザフォルダ内の管理者名のフォルダ”だと思えば良いと思います。

一方、家族などでNAS本体を共有する場合は、自分以外のユーザを作成するわけですが、作成したユーザ用のフォルダは、”個人フォルダ内”には作成されず、”ユーザフォルダ内”に作成されます。

恐らくUNIXシステムから来ている仕組みなんだと思いますが、そもそも”個人フォルダ”という名称が分かりづらくしているように思います。

 

同期とバックアップ

このアプリは、PC本体のデータまたは他のUGREEN NASのデータと同期、バックアップし、必要に応じてリストアするツールです。NASを導入したら、この機能は是非活用したいと思っていました。

POOHの場合は自作アプリを趣味で開発することをライフワークのひとつにしているので、開発したアプリのソースコードやプロジェクトを確実にバックアップしたいと常々考えています。基本的には”Dropbox”でクラウドバックアップを常時しているのですが、今回NASを導入したので自宅内のネットワーク上でもバックアップをして、必要に応じて別のPCでデータを活用したいと思っています。アプリの設定自体は、バックアップ元のPC内のフォルダとバックアップ先のNAS上のフォルダを選択するだけです。

UGREEN NAS

但し、常に最新の状態に同期させるためには”UGREEN NAS”アプリを起動した状態にしておく必要があります。個人的には、アプリ画面が鬱陶しいので、メニューバー常駐型のアプリに改良してほしいなあと思います。

UGREEN NAS

 

一方、iPhone版の”UGREEN NAS”アプリでは、写真データの同期をサポートしています。個人的には”iCloud”で十二分に満足しているので、わざわざNAS本体に写真データをバックアップしようとは思っていません。恐らく、クラウドからNASに運用を切り替えるようなユーザ向けなのかな?と思います。

 

UGREENlinkリモートアクセスサービスを使ってみる

“UGREEN NASync”では、”UGREENlinkリモートアクセスサービス”を使って外出先からNAS本体にアクセスできます。

外出先でも、”https://ug.link/DXP2800-XXXX-xxxx”でWebブラウザで自宅の”UGREEN NASync”にアクセスできる、ということなので、実際に試してみたら”404 Not Found”ということでサイトを見けることができませんでした。

Safari

そう言えば、セットアップの時にUGREENクラウドうんぬんという部分があったなあと思い出し、UGREENのWebでユーザ登録をちゃんと完結させたら、クラウドデバイスの接続設定が完了。

Safari

その後、順調にWebブラウザ経由で”UGREEN NASync”にアクセスできるようになりました。今後、UGREENが詳しい手順を解説するでしょうが、当初の解説の内容では接続できないかもしれません。

Safari

相応のWiFi環境であれば、想像していた以上に快適に”UGREEN NASync”できました。これは実用レベルで十二分なクォリティだと思います。

Safari

ちなみに、WiFi環境ではなく4G通信でアクセスしてみたら、結果的には接続できませんでした。

iPhone

やはり、WiFi通信を介したアクセスが無難だと思います。

iPhone

 

ネットワークディスクツール

このアプリは、Google Driveなど、サードパーティが運営するクラウドと連携して、データをやりとりしたり同期したりするツールです。実際にGoogle Driveで試してみましたが、どうやらマイドライブ内のデータやフォルダなどが対象のようです。個人的にはDropbox派なので、Google Driveに関しては、いまひとつ具体的な用途が思い付かないなあ。でも、この機能って、クラウドサービス側で標準的にサポートしているので、敢えてNASを介したデータの同期ってニーズがあるのかなあ?

 

シアター

このアプリは、動画コンテンツをライブラリとして管理し再生するアプリです。家族の動画などを楽しむ目的もあるかと思いますが、アプリの機能的には映画やTV番組などの動画ファイルを対象にしているように思えます。ただ、昔だったらレンタルしたDVDを個人が使う目的でリッピングするなどといったことが想像できますが、ストリーミングが主流になっている現在、ファイル形式のコンテンツってどのように用意したらいいんでしょうか?

UGREEN NAS

と言う本質的な疑問はさておき、アプリでは”TMDB“というコンテンツデータベースを活用して作品の詳しい情報を取得するサービスをサポートしています。その際、”TMDB”からAPIを利用するための秘密鍵を生成してもらう必要があるため、ユーザ登録を最初に行うという手順になります。でも、ユーザ登録の手続きが何度やってもエラーになってしまいます。試行錯誤の結果、使用言語を英語に変更してトライしたらユーザ登録とAPIの登録が無事完了しました。”TMDB”と連携すれば、まるでストリーミングサービスのような画面でコンテンツを管理できるので、これはこれで素晴らしいです。課題は、やはりどのようにファイル形式のコンテンツを充実させるかですかねえ。具体的なソリューションがあるんだったら是非知りたいです。

Screenshot

UGREEN NAS

セキュリティマネージャー
このアプリは無条件でインストール、定期的にフルスキャンする設定で運用中です。とは言え、NASには既に大量のデータが保管されているので、初回実行ということもあってなのか、フルスキャンをかけると数時間かかります。深夜に実行はマスト、どのくらいの間隔で定期実行するのか悩ましいところです。

UGREEN NAS

Home Assistant
わが家では、アップルの”HomeKit”をメインで使っているので後日使ってみる予定です。(ちょっと余力がないので次回TALKまでの宿題です。)
Jellyfin
動画やストリーミングなどをサポートするメディアプレイヤーということなので、こちらも次回までに試してみようと思っています。
インストールしたアプリのアンインストール方法
最初の頃、インストールしたアプリのアンインストール方法が分からなくてちょっと焦りました。
“アプリ”で”インストール済み”タブ画面に切り替えた後 (“すべてのアプリ”タブ画面でもいいんですけど…)、アンインストールしたいアプリをタップ。右上にある”開く”ボタンをタップすると”アンインストール”を実行するメニュー項目を選択できます。分かってみれば何てことないですが、この導線はかなり分かりづらくないですか?

UGREEN NAS

セットアップと試運転を終えたタイミングでのまとめ (あくまで個人的な感想です)
レスポンスについて

わが家のDXP2800には、NASクラスのハードディスクと、キャッシュ用のSSDを実装していることもあってか、自宅で使っている時にはレスポンスが遅いなどといった不満は感じません。勿論、ケーブルで接続している時に比べれば相応の遅延はありますが、わが家のネットワーク環境下ではネガティブな印象は感じません。

余談ですが、NASの運用では、宅内に設置しているWiFiルーターのクォリティが重要なポイントのひとつだと思います。わが家は、昨年1月に悪夢だった”TP-Link“社製のWiFiルーターから”IODATA“社製のWiFi 7対応ルーターに切り替えたので、土台になるネットワーク環境に関しては全くストレスがありません。もし、NASとのやりとりでレスポンスや通信の安定性などが気になるようでしたら、WiFiルーターの見直しもありだと思います。

 

NAS本体の稼働音について

UGREEN NASync本体に実装するハードディスクのクォリティで稼働音は異なると思います。加えて、稼働させているサービスやコンテンツサイズなどによっても違いはあると思いますが、わが家の場合はハードディスクのアクセス音が常時微かにします。自宅の書斎やリビングルームにNAS本体を設置するのであれば、稼働音を最小化させる意味でも、出来るだけクォリティの高いハードディスクを選択した上で、実装したSSDをキャッシュとして使う、というところはマストなように気はします。

それと、ファンの音はこれから暑さが増していくなかでは気になる要素のひとつです。いまのところ気になるレベルではないですが、夏場になるとどうなんだろう? 静かな環境では、マシンのアクセス音って思った以上に気になるものなので、その辺りは注視していこうと思います。

 

UGREEN NASを常駐しているホストマシンのリソース消費など

“UGREEN NAS”アプリを常駐しているホストマシンは、M4 Pro Mac mini メモリ 48GBモデルです。

“UGREEN NAS”アプリ本体と関連モジュールが消費しているリソースは次の通りです。

“UGREEN NAS”アプリで特別なアプリが動作していない状態で、CPUの使用率は全体のうちの10%程度。

macOS

“UGREEN NAS”アプリで特別なアプリが動作していない状態で、メモリの消費量は1GB前後といった状況でした。

macOS

わが家の場合は、マックに保存している一部のファイルを、”UGREEN NAS”アプリで常時同期させているので、全くのアイドル状態というわけではありません。勿論、同期などを行わないのであれば、そもそもを”UGREEN NAS”アプリを常駐させる必要はないと思います。”UGREEN NAS”アプリをどのような目的で利用するのかによって状況は様々ですが、ファイルを同期してくれて、かつ外出先からファイルを参照できるので、上記のリソース使用量は許容範囲だと考えています。ま、リソースの使用量は少ないに越したことはないですが、役に立っているのでいいのかなあという感じです。

 

NAS運用 v.s. クラウドサービスについて

・”UGREEN NASync”は、クラウドサービスよりもNASの方が安心だしコストもセーブできるので最高のソリューション!と発表当初から宣伝しています。本当にそうなんでしょうか?

・ある程度大量のデータを保管するコストという観点では確かにNASの方がリーズナブルなのかもしれません。でも、NAS運用の信頼性を大きく左右するハードディスクのスペックとRAID構成次第で、想定していた以上の投資が求められます。一方、クラウドサービスの場合は、世界各地に分散されたデータセンターで最低でもデータを二重化していますので、万が一、大規模な災害などに見舞われてもデータが失われるリスクは低いと思われます。NAS運用の場合は、自宅やオフィスが被害にあってしまった時のリスクがあります。DXP2800だったら何とか避難時に持ち出すチャンスもありますが、上位モデルの場合だとどうなんでしょう?

・上記のリスクを考えると、個人的にはNAS運用を導入したからといっても、現在利用している”iCloud”と”Dropbox”を解約しようとは思いません。更に言うと、”Apple One”でクラウド契約すれば、写真に代表されるデータの共有やバックアップは勿論のこと、音楽やストリーミング、ゲームなども契約金額の範囲で楽しむことができます。(“Dropbox”については付加価値がないので微妙かも?)

・個人的なまとめとしては、最小モデルのDXP2800であれば、ギリギリ許容できる支出で安定したNAS運用を体験できるので、従来契約しているクラウドサービスと併用したうえで、それぞれのいいところを活かした使い方を模索していこうと思っています。少なくとも、NASの運用を契機にクラウドサービスを止めるなどとは決して考えていません。

・それじゃあ、NAS運用のメリットは? 自宅やオフィスにある複数のデスクトップ機やモバイル機毎にケーブル接続したハードディスクがいらなくなるというところが最大のメリットだと思います。つまり、WiFi通信を介して複数のクライアントでバックアップしたデータを、わりと高速で共有できるところが最大の魅力だと思います。

・実際にNASを使ってみるまで分からなかったことですが、自宅やオフィスの外からでもNASにアクセスできるのは驚きました。クラウドサービスと同様、外出先からでも自分のデータやコンテンツにアクセスできるのは何とも嬉しい機能ですよね。

 

改善してほしいなあと思ったことなど

・探し方が悪いのかもしれませんが、搭載したハードディスクの使用量を確認する方法が見つかりません。”UGREEN NAS”アプリで表示されているハードディスクの使用率は常に値が変動しているので、もしかすると負荷などに関する値なのかもしれません。ともかく、ハードディスクが実際にはどれぐらい消費されているのか知っておきたいので、もし既に表示しているのであれば分かりやすい表現で確認できるようにしてほしいです。

ちなみに、macOSのFinder画面でSMB”連携しているフォルダの下には実際の空き容量が表示できているみたいなんですけどね。

macOS

と思っていたら、iPhone版の”UGREEN NAS”アプリで、ディスクの消費量を確認できるカードを追加できました。

UGREEN NAS

Screenshot

 

・最初にセットアップした時の”TALK“でも触れましたが、アプリ内の日本語ローカライズが変です。恐らく、AI翻訳などでローカライズした結果なんだと思いますが、アプリ開発ではローカライズ作業の正確性は、ユーザの利便性という観点でとても重要です。ですので、正しい日本語を扱える開発者を採用して、是非、いまいちどすべての項目を対象に正しい日本語に修正して下さい。

・前回の”TALK“で触れた内容になりますが、折角、NAS本体にたくさんUSBポートが付いているので、それらの具体的な活用方法を紹介して下さい。現在のように、単にPC上のデータをNASに移行する時の器として使うぐらいでは勿体ないと思っています。「そうか!そういう活用方法があるんだ!」と思えるようなアイディアを是非教えて下さい。

・”UGREEN NASync”のオペレーティングシステム”UGOS Pro”で動作するアプリケーション向けのSDKなりAPIを開発して公開してはどうでしょうか? 自社のエンジニアやマーケティングなどではアイディア出しに限界がありますが、ある意味でオープンソース化することで、ユーザ視点で便利だと実感できる面白いアプリがたくさん登場するのではないでしょうか。折角完成度の高いハードウェアを作ったんですから、そういったアプローチこそが他社と差別化できる商品に育てられる突破口になるような気がします。

 

“UGREEN NAS”アプリで利用できる便利そうなアプリはいくつかあるので、何とか時間を見つけて試してみようと思っています。次回のTALKで”UGREEN NASync”のシリーズはラストになると思いますが、アプリの使用感などを中心にご紹介できればと思っています。

 

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