macOS の起動可能なインストーラを作成する方法、そして正しいクリーンインストールの方法
POOHのように、ベータ版を使ったプログラム開発をしていると、時折り、システムをインストールし直したくなる場面があります。
でも、ここ最近のmacOSは、セキュリティ面を重視する余り、アップル社以外には正しい手順が分からない、といった傾向が次第に強くなってきているように思えます。
その冴えたる例が、システムのクリーンインストール時のディスクの初期化です。
以前なら、単純にシステムをインストールしているディスクを丸ごと初期化すれば良かったのですが、”ディスクユーティリティ”を開いても、一体、どのパーテーションを初期化すれば良いのか分かりません。
仕方がないのでネットで検索しながら作業を進めても、ネット上の指南の大半は間違いだらけで、個人的な経験で言うと、正直、一度もまともに成功したことがありません。
というわけで、このTALKで正しいやり方をお伝えすることはできませんが、いざという時に、用意しておくと良さそうなツールを2つご紹介しておきます。
1点目は、”Apple Configurator 2“というアプリを使って、起動しなくなった(インストールに失敗した)マックを救助する方法です。
詳しい内容は、”Apple Configurator 2でAppleシリコンを搭載したMacを復活させる/復元する“をご覧いただくとして、この方法であれば、かなりの確率で復旧できます。
POOHも実際に一度やりましたが、最終手段としては、かなり有効なソリューションだと思います。ただ、難点は、マックが2台必要だという点です。
それと、個人的な体験から言うと、M1 Macでは成功体験がある一方で、Intel Macではケーブルの問題なのか、リカバリ先のマックを認識してくれませんでした。
2点目は、macOS の起動可能なインストーラを作成しておくことです。
詳しい内容は、”macOS の起動可能なインストーラを作成する方法“をご覧下さい。
POOHも、復旧は試していませんが、万が一の備えとして、インストーラ用のUSBメモリを作ってあります。
インストーラ用のUSBメモリの作成手順は至って簡単です。
いざという時に起動したいmacOSのインストーラをダウンロードして、
所定のコマンドを”ターミナル”で打ち、後は待つだけです。
出来上がると、USBメモリのなかにmacOSのインストーラが保存されています。
1点、重要なポイントがあります。それは”起動セキュリティユーティリティについて“に書かれている内容です。結局のところ、セキュリティ設定画面で”外部起動”を有効にしておかないとUSBメモリから起動することができません。しかも、セキュリティ設定画面は、デフォルトで最高レベルになっているうえ、アクセス可能なユーザが存在する場合にのみ変更可能なので、macOSのインストールが最悪に失敗した時点でUSBメモリから起動することができません。つまり、日頃からセキュリティを甘めに設定しておかないと、いざという時に打つ手がない、ということになりかねません。ま、そういう時はアップルストアに駆け込むしかないってことかなあ。
そんなわけで、手放しでは喜べない状況なわけですが、そんななかでも今回押さえておきたいポイントは、”macOS の起動可能なインストーラを作成する方法“に書かれているmacOSのインストーラのURLです。
この機会、必要なmacOSのインストーラをダウンロードしておくだけでもメリットがあると思います。M1 Macへの移行が完了する前に旧macOSを手元に置いておけば、アプリの互換性問題などに直面した時にも、古いmacOSにダウングレードできるので安心感がありますよね。
起動可能なUSBメモリで保険的な善後策を用意することができたので、続いて、これまで怖くてなかなか試せなかったmacOSのクリーンインストールを実際にやってみました。
今回は、別途TALKする予定のIntel版Mac miniにmacOS Big Surをクリーンインストールしました。
クリーンインストールの方法をネットで検索すると、アップルのサポートページ “macOSを消去して再インストールする“辺りがヒットします。ただ、このページには肝心な正しいディスクの初期化方法が掲載されていません。それに加えていろいろなサイトがヒットするのですが、それらの大半は古い情報のまま内容を掲載しているので、その通りに実行すると、恐らく最新のmacOS Big Sur環境では心配するリスクが大いにあります。
POOHも、ネットの情報の通り実行して、痛い失敗を過去に何度も体験しています。
そうこうしている間に、今年は残りのM1 Macのうち、恐らくiMacが登場するはずなので、元資産の売却時に必要になるクリーンインストールをしっかりマスターする必要があります。
Intelマックの場合は、再起動と同時に、”Command + R”を押し続けて、復旧画面を表示させます。
“macOS Big Surを再インストール”という項目は、単にmacOSをインストールし直すだけなので、ユーザデータ、アプリ、設定などのデータはそのまま残ってします。ですので、まずは”ディスクユーティリティ”を選択して、macOSとユーザデータなどが保存されているディスクボリュームをまっさらにします。
左のリスクで”内蔵 Macintosh HD”を選択したまま、”消去”ボタンをクリックします。
一見詳しい説明文が表示されますが、結局、どのボタンをクリックすれば良いのか迷います。
アップルのサポートページ “Intel 搭載の Mac を消去する方法“に書かれている通り、”ボリュームグループを消去”ボタンをクリックします。
この後、”macOS Big Surを再インストール”を実行すればOKです。
これで一安心、と思った矢先、残り10分を残すところでエラー発生!こういう時、焦っちゃいますよね!
恐らく、アップルのサーバー側またはネットワークの問題でエラーになったんだと思いますが、2度やり直しても同様のエラーで先に進めませんでした。
で、結局、復元システム (ディスクの初期化の時に見える”ディスクイメージ”に保存されているmacOSを使った復旧方法。)で、
ひとつ前のmacOS Catalinaをインストール、ということになりました。この方法だと、最初はインターネット接続が必要ですが、一旦、インストールに入ってしまえば、ローカル環境でリカバリできるので成功の確率はかなり高いんだと思います。
後は、macOS CatalinaからBig Surにアップデート。Big Surのインストールは、最初にインストーラをダウンロードしてから実行になるので、先程遭遇したようなインストール途中のエラーは回避できるような気がします。
結局、今回もストレートにクリーンインストールすることができませんでした。これで全戦全敗です。セキュリティの強化には異論はありませんが、一方で普通のユーザでも安心してクリーンインストールできるようにしてくれないとこの先も心配です。アップルさん的には、一旦立ち止まって、セキュリティとユーザビリティのバランスについて、ちゃんと考えてほしいと思います。
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