OLYMPUS ミラーレス一眼 OM-D E-M1 MarkIIで本格的にヒコーキを撮ってみました (1)

OLYMPUS ミラーレス一眼 OM-D E-M1 MarkII + Panasonic ライカ DG VARIO-ELMAR 100-400mmを買いました (1)”の続きです。

 

(1) OM-D E-M1 MarkIIでヒコーキの撮影は本当に可能なのか?

1ヶ月ほど前に購入した”OLYMPUS ミラーレス一眼 OM-D E-M1 MarkII ボディー“と”Panasonic 超望遠ズームレンズ マイクロフォーサーズ用 ライカ DG VARIO-ELMAR 100-400mm/F4.0-6.3 ASPH./POWER O.I.S H-RS100400“の組み合わせで、実際にどれだけヒコーキの写真撮影が可能なのか、実践の場で検証してみました。

 

(a) イギリスで開催されたRIAT 2017で撮影してみました

今年7月にイギリスで開催された”THE ROYAL INTERNATIONAL AIR TATOO 2017 (以下、RIAT 2017)“が、OM-D E-M1 MarkIIデビューの場になりました。こちらのエアショーの詳しい内容は、後日TALKする予定ですので、今回は、OM-D E-M1 MarkIIで撮影した写真にフォーカスして、実際に撮影してみた感触をお話しようと思います。

 

・パナソニック製レンズのズームリングは時計回りなんですが…

POOHの場合は、最も使用頻度が高いキャノンの望遠レンズのズームリングの回転方向が反時計回りなので、本来なら、オリンパス製の望遠レンズを買えば良かったのですが、生憎、ヒコーキ写真に適した100-400mmのマイクロフォーサーズ仕様の望遠レンズがパナソニックにしかなかったため、正直なところ、カメラ本体よりも、望遠レンズのズームリングの回転方向が気になっていました。

で、現地でいろいろ試してみた印象ですが、一番気になった点は、ズームリングの回転操作がかなり固めということ。ズームレンズなので、キャノンの100-400mmぐらい回転しやすいと良かったのですが…

それと、最初から気になっていたズームリングの回転方向に関しては、正直、短時間では慣れるところまではいきませんでしたが、幸い、垂直方向にズーミング操作ができるので、今回は、リングの回転ではなく、垂直方向の操作で行いました。(公式な仕様なのかどうかは不明。)

 

・100-200mm近辺の画質はかなり良い感じ

まずは、移動速度が遅めの被写体から試し撮りしてみました。移動速度が比較的遅めで、かつ100-200mm近辺で捉えることができる被写体の場合、撮った写真は、普通の一眼レフカメラと遜色ない出来栄えだと思います。

普通の民間航空機なら、せいぜい200mmもあれば、スポッティング的な写真は撮れるので、今回の組み合わせだけで撮影を進めても、不安を感じる場面はないと思います。

 

・もうちょっと早い速度で移動する大きめの被写体だと…

では、もう少し移動速度が早い被写体の場合は、どうだったかと言うと、今回の組み合わせだと、それなりの速度で遠くから近づいてくる被写体に限り、フォーカスが外れる場面が何度かありました。今回は、AF方式を”C-AF”、AFターゲットモードを”オールターゲット”、連写モードを”L”、C-AF追従感度を”+1″といった設定で撮影を行いました。

下のサンプルでお分かりのように、比較的大きめで、ソコソコ速度のある被写体であれば、特段、気になるような場面はありませんでした。

 

・かなり高速で移動する比較的小さな被写体の場合だと…

戦闘機による曲技飛行とまではいかないけど、所謂、編隊を組んだアクロバット飛行を撮影してみました。

この日は、写真でお分かりの通り、バックの空がグレーということもあってか、高速で遠くから近づいてくる被写体、あるいは遠くで横方向にやや高速に移動する被写体の場合、何度かピントは外れる場面がありました。ま、このようなコンディションですと、普通の一眼レフでもピントが合わないことがままあるので、ミラーレスだから、という結論には即ならないとは思いますが、気にはなりました。また、望遠端の400mmに近いところですと、ピントというよりも、解像度が甘い写真が何枚かありました。ただ、今回は、速度優先(S)で、かつISOをAUTOにした状態で撮影したこともあって、解像度が悪い写真のISO値が1000を超えていたこともあり、一概に、カメラの性能に直結した評価をすることはできません。加えて、普通の一眼レフカメラ(今回はEOS 7D Mark II)でも、天候の悪いシチュエーションでは、一瞬、ピントがハズレたり、ピント自体が合わないケースも多々あるので、そういう意味でも、ミラーレスだから、という結論にはならないと思います。

次回は、ISO値のリミットとC-AF追従感度を見直しつつ、コンディションの良い日に、再度、ピントと解像度に関しては、分析をしてみようと思っています。

ちなみに、下の写真は、いずれもトリミングをした画像になりますが、ミラーレスでも、こういった瞬間を捉えることができる、という一例としてご覧いただければと思います。

 

・連写性能はカタログ通り10枚/秒をキープできているのか?

今回は、コストのこともあって、UHS-I U3仕様のSDカードを使用して、全てRAWで撮影を行いました。

結果的には、バッファーの関係なのか、連写を続けていると、スタミナ負けする場面がありました。もしかすると、UHS-IIに変更すれば良いのかもしれませんが、ま、あまり連写できてしまうと、撮った写真をチェックする時、辛くなるので、現状の性能で不満は感じません。

 

・バッテリーのスタミナは実用に耐えうるレベルなのか?

ミラーレスの場合、バッテリーの保ちが短いという話しを聞いていたので、エアショーの現場でどうなのかなあ?と気が気でなかったのですが、OM-D E-M1 MarkIIになって、バッテリーが増量したこともあってか、全く心配要りませんでした。イギリスでは、2千枚強の写真を撮ったのですが、バッテリーを入れ替えることもなく、残量が30%以上ありました。これなら、バッテリーのスタミナを心配して、”OLYMPUS バッテリーホルダー HLD-9“を導入する必要はなさそうです。

 

・露出補正のダイヤル

シャッター速度優先で、Fnレバーを”1″に設定しておくと、フロントダイヤルで露出補正ができるのですが、フロントダイヤルへのアクセスがし易いこともあって、イギリスで始めて撮影している時、誤って、意図しない露出補正をしてしまい、露出アンダーで撮影してしまった場面がありました。一応、備忘録として。

 

(b) 小松基地で航空自衛隊を撮影してみました

イギリスでは天候に恵まれないなか、始めての試し撮りを試みたわけですが、逆に天気が良い状況ではどんな写真が撮れるのか?

そんなわけで、メチャメチャ天気が良かった航空自衛隊の”小松基地“で、離発着する戦闘機や輸送を試し撮りしてみました。なお、戦闘機を確実に止めるためにシャッター速度優先で1/2000、ISO値は”AUTO”、C-AF追従感度を”+2″という設定で撮っています。

 

・やはり100-200mm近辺の画質はかなり良い感じ

イギリスでも確認できた通り、f値が4.0〜5.6近辺、ISO値もソコソコで撮影できる100-200mm近辺で撮った写真は、全般的に好印象の写真を撮ることが出来ました。

 

・300mm近辺の画質はまずまずだけどISO値が気になるなあ

300mm台で撮影した写真は、f値が5.8、ISO値が500でした。出来栄え自体に然程不満はないのですが、この日の天候を考えると、ISO値が500という値まで上がったことが気になります。シャッター速度が高すぎたのか、それともカメラの特性なのか?

 

・望遠端の400mmでもコンディションが良ければいい感じかも

イギリスでは気になった望遠端 400mm付近での解像度については、比較的低速で、かつ大きめの被写体であれば、気になるほどの出来栄えではありませんでした。ただ、やはりISO値が640〜800ぐらいのレンジで設定されてしまうことが気になります。出来れば、マニュアル設定で撮影はしたくないので、晴天下での撮影だったら、ISO値が200〜300ぐらいに収まる最適な設定を探さなくては、と思っています。

 

望遠端の400mmで高速で移動する小さな被写体を撮る場合は…

今回の試し撮りを通じて、ミラーレスで飛びものや動きモノが撮れるかどうかは、一定の条件下で言えることなのでは?と感じたのは、被写体のサイズと速度の違いで、撮影した写真のクォリティに差が出たからです。

上記のように、比較的低速で、かつ大きめの被写体であれば、然程気になることもないのですが、下の写真のように、高速で移動する小さな被写体に関しては、少ない経験とは言え、もしかすると、ミラーレスでは、まだまだ苦手な分野なのかなあ、と正直思いました。

2枚とも、トリミングした写真ですが、一枚目の写真は明らかにピントが合っていません。続く2枚目で、何とかピントが合っていますが、解像度に関しては、普通の一眼レフと比べて、いまひとつなのかな、といった第一印象でした。

解像度に関して、別のサンプルで更に確認してみます。こちらの写真は、戦闘機が頭上を通過するところを撮ったオリジナルサイズの写真です。(オリジナルを縮小したという意味。)ま、このサイズのままなら気にはなりませんが、

トリミングしてみると、もうちょっとシャープな写真が撮れるといいなあ、という感じ。この時、f値が7.1、ISO値が640と高めに設定されていました。

ちなみに、同じようなシーンを、EOS 7D Mark IIで撮影後、トリミングしてみると、OM-D E-M1 MarkIIの方が解像度が高いことが分かります。こうやって、比較してみると、ミラーレスも一眼レフもあまり大差がないことに気づきました。ちなみに、EOS 7D Mark IIの方は、同じシャッター速度優先で1/2000、f値が5.6でISO値が250で設定されていました。

 

・センサーサイズが小さいことで写真の解像度への影響があるのかなあ?

解像度が気になったので、100-200mm近辺の写真で一眼レフと比べてみました。上がOM-D E-M1 MarkII、下がEOS 7D Mark IIです。いずれもトリミングした写真です。このサイズに縮小してしまうと違いが分かり辛いですが、尾翼のエンブレムを詳しくチェックしてみると、OM-D E-M1 MarkIIの方がディテールがやや甘めな感じでした。もしかすると、所謂、メラメラ、もしくは民間航空機の排気の影響があったりするのかなあ。ま、微妙なところですけどね。

 

(2) ファーストインプレッションのまとめ

ファーストインプレッションを一言で表現するならば、ミラーレスで思い通りのヒコーキ写真を撮ろうと思ったら、自分なりの試行錯誤は不可欠だなあ、というところかな。兎にも角にも、これだけ真面目にミラーレスで写真を撮った経験が少ないので、短時間にベストに持っていくのは難しそうです。それと、ネットやムック本では、ちゃんと飛んでいる戦闘機の撮影指南を見かけないので、自分で何とかするしかない感じかなあ。

というわけで、今後、調整しようと思っている設定値を備忘録的にメモしておきます。(自分用ですけどね。)

ヒコーキ、特に戦闘機を撮る機会が多いので、AF性能はとても重要なポイントです。今回、二箇所で撮影した経験から、以下の設定を変更しながら、最適な値を探していこうと思っています。

・AFターゲットモード: “オールターゲット”でお任せフォーカスするのではなく、”9点/5点グループターゲット”で、狙いたい部分を明確にカメラに伝えた方が良いのかも。

・AF方式: “C-AF”のままで良いと思います。

・連写: “連写L”のままで良いと思います。

・手ぶれ補正: “手ぶれ補正オート S-IS AUTO”のままで良いと思います。

・ISO感度: ヒコーキ撮影では、都度、細かい調整を行うゆとりがないので、”AUTO”のままで良いとして、”ISOオート設定”でISO感度の上限をもう少し厳しめに設定してみようかなあ。取り敢えず、上限を”500″。

・C-AF追従感度: “0”あるいは”+1″に変更して、”+2″との差があるのかないのか見極めないとなあ。

・AFリミッター: この値、変更してみるべきなのかどうか?

・AFスキャン: “mode2″から”mode3″に変更してみようと思います。

・レンズ手ぶれ補正優先: “On”にして試してみようと思います。

・連写中手ぶれ補正: “連写速度優先”から”IS優先”に変更してみようと思います。

以上の設定をいじりながら、別の機会に、再度、試し撮りをしてみるつもりです。

 

(3) この時期旬の花火を撮ってみました

OM-D E-M1 MarkIIでは、”ライブコンポジット“という面白い機能が使えるようなので、花火を撮ってみようと思っています。

で、製造を終えてしまい、在庫のみ販売中のオリンパス製レンズがメチャメチャ安かった(過去の底値は1.4万円だったみたい。)ので、こちらのレンズで花火に挑戦する予定です。(※ 現用機は”OLYMPUS 電動式パンケーキズームレンズ M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ BLK“なのかなあ?)

OLYMPUS ミラーレス一眼 レンズ 防塵 防滴 電動ズーム ED 12-50mm ブラック M.ZUIKO DIGITAL ED12-50mmF3.5-6.3 EZ BLK

後、買ったのは、”Kenko 52mm ケンコー PRO1Dプロテクター(W)【アウトレット】化粧箱無し 黒枠“。

花火を撮ってみた感想などは、後日TALKする予定です。

 

(3) キャンペーンに応募してリチウムイオン電池を貰いました

8月末まで開催している”カメラグランプリ2017オリンパス三冠受賞 OM-D E-M1 Mark II受賞記念キャンペーン“に応募して、

OLYMPUS リチウムイオン充電池 BLH-1“を貰いました。これ、まともに買うと、1万円ぐらいするアクセサリーなので、こういう景品はお財布的に助かります。

ホームページ”THE POOH FILES”にも是非お立ち寄り下さい。

tomohiko

長年に渡りMacintosh向けの自作アプリを作り続けているPOOHです。最近はiPhone,iPad向けアプリ開発にも挑戦中。グルメ、旅行、露天風呂、写真、サイクリング、映画、STAR TREKが大好き。レトロでSFなおもちゃを大量にコレクション。プレーリードッグと同居中。

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