iPod Classicの修理初体験!途中失敗する場面もあったけど楽しく改造作業を体験できたよ! (2)
“iPod Classicの修理初体験!途中失敗する場面もあったけど楽しく改造作業を体験できたよ! (1)”の続きです。
前回のTALKでお話した通り、人生初挑戦の”iPod Classic”の修理・改造作業は敢え無く失敗に終わりました。
でも、”iPod Classic”で音楽を心地よく楽しめる体験 (“こんな時だからこそ、アップルの名器 iPod ClassicとAirPods Proでお気に入りの音楽を楽しんでいます (3)“)をしてしまった以上、愛用の”iPod Classic”が故障した時の備えをしておきたいと思っています。ですので、失敗を失敗で終わらせないで、成功体験を作っていこうと思います。
< 前回の失敗から得たこと、知っておくと作業がスムースできるよ!>
< 修理・改造作業の必携アイテム >
・”iSesamo【iPhone/iPod/iPad対応修理工具】分解工房オリジナルロゴ版“。
前回のTALKでも散々触れましたが、”iPod Classic”のハウジングを開ける作業はとても難易度が高いです。不適当なツールを使うと美しい筐体を傷つけることは間違いありませんし、短時間で開封することは至って困難。ハウジングを開けるツールとして、青いヘラを見かけることが多いですが、あれ、ぜんぜん役に立ちません。
この金属製のヘラは、片方が柔らかめ、もう片方がやや固めに作られています。柔らかい面を使ってハウジングに隙間を作り、硬い面を使ってテコの原理っぽく上蓋を持ち上げていく、という技が使えます。このヘラは千円以下で買えますので、躊躇せずに絶対購入して下さい。買って良かったと思いますよ。
上のリンクは例えばということですが、後ほどお話するように、精密作業向けのピンセットを手元に用意しておきましょう。
・”ベッセル(VESSEL) 精密ドライバーセット +2本 -4本セット TD-56“。
上のリンクは、まさにPOOHが今回の作業で使ったドライバーセットです。このセットのなかで、1.2mmのマイナスドライバーを使いました。ドライバーが必要な場面は、液晶ディスプレイや基盤、ホイールなどを交換する際、極小のプラスネジを6本外す必要があります。(経験上、外すネジはプラスですが、ネジ山を削らないようにするにはマイナスドライバーの方が良いような気がしました。)
< iPod Classicを解体する時のポイントは極小のコネクタ対策 >
“iPod Classic”の解体で結構苦労するのが、作業の過程で外したケーブルの再接続です。外す時にコネクターがどういう構造になっているのか確認しながら作業するのがベストです、実際に外す時は案外簡単にケーブルが抜けるので…
最初は液晶ディスプレイのケーブルコネクター部分です。コネクターにケーブルを差し込もうとしても入りません。
写真を回転、手前が液晶ディスプレイ側です。写真は分かりづらいですが、液晶ディスプレイの反対側にある黒い細長い部分を細いピンセットの先で持ち上げると細長い部分が持ち上がります。この状態でケーブルを奥まで差し込んだうえで、細長い部分を下げてばケーブルがしっかり固定されます。これが分からないと作業中にイライラ度がマックスになります。
作業の過程で基盤側のコネクターからケーブルを外す必要はないと思いますが、何らかの事情で基盤からケーブルを外した後の再接続について触れておきます。
写真の左側が”iPod Classic”本体に付いている充電・同期用のケーブル口です。ケーブルを再接続する場合は、ケーブル口側にある黒い細長い部分を細いピンセットの先で持ち上げると細長い部分が持ち上がります。この状態でケーブルを奥まで差し込んだうえで、細長い部分を下げてばケーブルがしっかり固定されます。
イヤホンジャック用のケーブル (下の写真の右側のケーブル)は、解体作業で外す必要はないと思います。ただ、イヤホンから音が聞こえないという故障の際には、このケーブルを抜くはずですので触れておきます。
写真の手前方向にある黒い細長い部分を細いピンセットの先で持ち上げると細長い部分が持ち上がります。この状態でケーブルを奥まで差し込んだうえで、細長い部分を下げてばケーブルがしっかり固定されます。
※ “iPod Classic”内部の基盤に付いているコネクターに共通していえることは、コネクターの黒い部分が可動するということですね。コネクター部の黒い部分はプラスチック製ですので、もしかすると経年劣化で強度がなくなっているかもしれません。ですので、強引に持ち上げるのではなく、細いピンセットで軽く動かす程度が良いと思います。
前回の作業が失敗に終わった大きな要因のひとつがバッテリーケーブルのコネクターが破損してしまったことです。(※ バッテリーコネクター部分だけ修理部品として販売しているのを見つけたので購入しました。コネクターを直せば基盤丸ごと使えるかもしれません。)
今回手に入れた”iPod Classic”で確認してみると、コネクタのうえに黒いガイドが付いているのが本来の形状なんですね。
黒いガイドを細いピンセットで持ち上げつつ、電源ケーブルの端子を差し込み、黒いガイドを下ろして固定する、といった段取りでした。ただ、口で言うのはやさしいんですが、実際にやってみると、ケーブル端子を差し込む前に黒いガイドが勝手に下がってしまい、個人的にはとてもイライラ度の高い作業でした。
グレーのコの字をした部品はこんな具合に取り付けることも覚えて起きましょう。
< ハウジングを外す際は液晶ディスプレイ回りに要注意! >
前回のTALKでもお話しましたが、”iPod Classic”のハウジングを外す際、兎にも角にも気を遣うべきは、液晶ディスプレイ周辺の作業です。上の写真などでお分かりのように、液晶ディスプレイ部分をカバーしている白いプラスチック部分は薄いので、外から余計な力を掛けると簡単に液晶が破損してしまいます。そもそも、”iPod Classic”は年代物のガジェットで、ちょっとしたことで破損しやすいので、その辺りを頭の片隅に入れておくと良いでしょう。
< 改めてiPod Classicを調達しました >
さて、今回はリベンジなので、調達した”iPod Classic”(第5世代)の外見はあまり気にせず、動作については確認済みのアイテムを物色しました。とは言え、完動品をバラすのは気が引けるので、バッテリーの保ちが心配というコメントのある”iPod Classic”に絞って探しました。
タイミング良く、液晶ディスプレイに傷が入っている”iPod Classic”(第5世代)がメルカリに出品されていたので、ちょっとだけ交渉させていただき、送料を除き、おおよそ1,600円ぐらいで手に入れることができました。
気になる裏面は傷も少なく良好。液晶ディスプレイを修理できれば、個人で使う分には十二分なコンディションです。
< 使用するSDカードをexFATでフォーマットします >
“iPod Classic”内蔵のディスクと交換するSDカードを”exFAT”で初期化します。新品のSDカードなら、大抵、”exFAT”でフォーマット済みだと思いますが、念のため、”ディスクユーティリティ”で確認しておきましょう。
< SDカード〜CFカード変換アダプタの動作を確認します >
改造作業中に何らかのトラブルが起きた際、不具合と思われる箇所を作業前に減らしておくためにも、SDカード〜CFカード変化アダプタの動作確認を済ませて起きます。
SDカードの動作確認に続き、CFカード変換アダプタ “【Amazon.co.jp限定】MATECH WiFiSD/SDXC/SDHC/SDカード から CFカード TypeI 高速 変換 アダプタ アダプター 最大128GB対応 [国内正規品] (1年保証) SD2CF1AD“。の動作確認も行います。
このアダプタは、フルサイズのSDカード用なので、下の写真のように、マイクロSDカードをSDカードのサイズに変換するアダプタが必要です。最初からフルサイズのSDカードを買えばいいのでは?と思うかもしれませんが、同じ容量だったらマイクロSDカードの方が断然値段が安いんですよねえ。
ちなみに、CFカード変換アダプタの裏面はちゃんとカバーしてありました。前回のTALKのなかで返品したアダプタはむき出しのICチップが裏面に出ていたので、個人的には重要なチェックポイント。
ちゃんとマイクロSDカードを認識できました。
このアダプタを、”変換名人 CFカード → 東芝/日立1.8″IDE変換アダプタ ZIF CFIDE-ZIFIB“に装着するわけですが、
今回の作業のなかで、ふと思ったのは、手元にある本物のCFカードを使う手もあるのでは?という点です。CFカードは”exFAT”で初期化できるので、カメラマニアで昔使っていた経験がある方なら、一度、使わなくなったCFカードを探してみても良いと思います。そもそも、CFカードの方がデータの読み書き速度が早いし、わざわざSDカードを買う必要もないので、ひとつの選択肢だと思います。
< 液晶ディスプレイの交換作業が無事に完了! >
液晶ディスプレイの交換作業が無事に完了。折角、”iPod Classic”のハウジングを開けたので、ストレージを128GBに増量しました。(実はこんなには要らないんだけどね…)
“iPod Classic”をマックに接続。
交換した液晶ディスプレイがとても綺麗!
この後、”iPod Classic”を接続したマックで、”iPod Classic”の復元処理を実行しました。ストレージが空っぽだと、リカバリモードのiPodという扱いになるんですね。
10年も経っている製品なのに、ちゃんとソフトウェアをインストールできるなんて流石はアップルですね!
復元が完了しました。
音楽を900曲も同期したのに、ストレージが112GBも残っている。個人的には64GBのマイクロSDカードで十分だった感じ。
実際に音楽を聴いてみたところ、先日手に入れた”iPod Classic”よりもぜんぜん音がいいんですよねえ。”iPod Classic”によって個体差があるんだろうか?”Bose SoundLink Mini Bluetooth speaker II ポータブルワイヤレススピーカー” (“こんな時だからこそ、アップルの名器 iPod ClassicとAirPods Proでお気に入りの音楽を楽しんでいます (3)“)とラインで接続して音楽を聴いてみると、”iMac Pro”の素晴らしいサウンドを凌駕する音楽体験ができました。やっぱり、”iPod Classic” (第5世代)っていいよね。
今回、修理の成功体験ができたので、手元にある”iPod Classic”用の保守用として、いろいろなパーツを調達しました。基本はメンテナンス用途ですが、面白そうなアイディアを思い付いたら、また修理・改造作業を楽しめたらと思っています。
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“iPod Classic”(第5世代)って、歴代のiPodのなかでも音が良いと評判なので、第6世代に比べて保守部品の在庫が少なくなっているように思います。もし、修理・改造をやってみようと考えているのでしたら、いまのうちに必要なパーツを調達しておいた方が良いかもしれませんね。ちなみに、国内では調達しずらい傾向なので、最近は”AliExpress“で調達しています。
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