OLYMPUS ミラーレス一眼 OM-D E-M1 MarkIIで花火を撮ってみました (2)

OLYMPUS ミラーレス一眼 OM-D E-M1 MarkIIで花火を撮ってみました (1)“の続きです。

 

前回のTALKで、”OLYMPUS ミラーレス一眼 OM-D E-M1 MarkII“で花火を撮る準備までをTALKしたので、今回のTALKは、実践編になります。今年の夏は、合計3箇所で花火を撮影する機会がありましたので、順を追ってTALKを進めていきますが、旅の様子などに関しては、別途、改めてTALKする予定ですので、あくまでもカメラ周りの話しにフォーカスしたTALKになります。

 

(1) 花火を撮影する際に使用した機材ですが…

カメラ本体は、”OLYMPUS ミラーレス一眼 OM-D E-M1 MarkII“。

使用したレンズは、”OLYMPUS ミラーレス一眼 レンズ 防塵 防滴 電動ズーム ED 12-50mm ブラック M.ZUIKO DIGITAL ED12-50mmF3.5-6.3 EZ BLK“。

アクセサリーは、”OLYMPUS リモートケーブル RM-CB2“。

三脚は、周囲の邪魔にならないようにと、”Velbon 卓上三脚 レバー式 EX-miniS 2段 小型 2Way雲台付 アルミ製 301840“。

花火を撮影する際に使用したカメラ本体の設定モードは、断りがない限り、”ライブコンポジット“です。

 

機材周りは、上記の通りですが、カメラ本体をはじめ、現地に持参した機材全体を、とってもコンパクトにまとめることができたので、それだけでも、随分と楽ができた感じでした。これが、普通の一眼レフカメラだったら、人混みのなかで移動する際、かなり神経を使う羽目になったと思います。

 

(2) 8月上旬に開催されたカナダのエアショー “ABBOTSFORD INTERNATIONAL AIR SHOW”の花火

こちらのエアショー“ABBOTSFORD INTERNATIONAL AIR SHOW”では、初日の金曜日に、ナイトで飛行展示が行われ、フィナーレが花火の打ち上げでしたので、この機会を利用して、始めて、EM-1による花火の撮影にチャレンジしてみました。

まずは、この日、カメラ本体に設定した内容を箇条書きで紹介しておきます。

・撮影モード: マニュアル (M)。

・露出: f 8。

・ISO感度: 200。

・シャッター速度: ライブコンポジット(比較明合成)。この設定にすると、”手ぶれ補正”が自動的にオフになるので、三脚はマストです。

・コンポジット設定 (ライブコンポジット設定時に”MENU”ボタンを押すと設定できます。): 1コマ当たりの露出時間になるので、今回は、2.5秒で試してみました。

・AF方式: C-AF。ヒコーキ撮影がメインなので、敢えて、C-AFのままで撮影しました。

・連続撮影: 単写。

・レリーズ優先S、レリーズ優先C: いずれもOFF。

・AFターゲットモード: オールターゲット。

花火を撮影する時、一番悩むのがフォーカスですよね。置きピンでフォーカスを事前に合わせておく、といった説明をする人もいるようですが、実際、そんな神業みたいなことはできませよね。で、今回は、レリーズ優先S、レリーズ優先C、AFターゲットモードの各設定を、上記のようにしておくことで、フォーカスをカメラにお任せすることにしました。

当日の詳しい内容は、”素晴らしい大自然とABBOTSFORDで開催されたエアショーを満喫したカナダ旅行 (9) “ABBOTSFORD INTERNATIONAL AIR SHOW” 1日目の飛行展示“をご覧下さい。

で、初チャレンジの成果は、こんな感じでした。ま、最初にしては、まずまずかなあ。

 

(2) 8月中旬に開催された熱海海上花火大会

8月24日に開催された”熱海海上花火大会“で、二回目の試写をやってみました。今回は、前半をライブコンポジット、後半を”ライブタイム“という撮影方法でチャレンジしてみました。また、その時に打ち上がる花火の種類を事前のアナウンスで確認しつつ、露出を f 9〜f13の間で調整、ISOは200に固定、といった設定です。ちなみに、こちらの花火は、海上公園の階段をイス代わりにして観覧するスタイルですので、前に座っている人たちを外しづらかったため、人の頭が見えてしまっています。あしからず。

当日の詳しい内容は、”今年も夏の熱海海上花火大会に行ってきたよ! (1) “熱海ふふ” “熱海海上花火大会”“をご覧下さい。

 

<前半の”ライブコンポジット”による撮影例です。>

今回のトライで思ったことは、コンポジット設定を2.5秒から3.2秒まで伸ばした方が、もうちょっと花火の軌跡を追えそうなあ、といった点です。それと、スターマインやナイヤガラといったダントツに明るい花火でなければ、露出は f 9固定でいい感じです。スターマインやナイヤガラだったら、露出はF13でも明るすぎた感じがします。

花火大会の会場では、手元が暗いこともあって、細かな設定変更ができない(ぎりぎり露出の設定ぐらいしか変更できません。)ので、撮り終えた写真をチェックしながら、次の機会に備えた設定値の変更箇所を押さえるようにしています。

 

<後半の”ライブタイム”による撮影例です。>

この撮影方法は、所謂、バルブ撮影なのですが、EM-1の凄いところは、ディスプレイで撮影の様子を、まさにライブでチェックできる点です。ライブコンポジットとの違いは、被写体の明暗に係わらず、カメラのセンサーが捉えた画像を撮影し続けるので、長くバルブを開けたままにしておくと、写真全体が露出オーバー気味になることと、花火の軌跡が綺麗にフォローしずらいという特徴がありそうです。

今回の試写を通じて思ったことは、花火撮影だったら、ライブコンポジットによる撮影の方が向いていそうだなあ、という感じです。次回は、ちょっとだけ設定を変えたうえで、ライブコンポジット一本で撮影を進めてみようと思っています。

 

(3) 8月下旬に開催された大曲の花火 第91回全国花火競技大会

8月最終土曜日に開催された”大曲の花火 第91回全国花火競技大会“で、今年三度目の花火撮影にチャレンジしてきました。この日の撮影は、気持ち的には、本番といったスタンスで臨みました。この日の撮影は、幸運にも、前方に人が入らないイス席で、三脚を置いても邪魔にならないスペースを確保できたので、これまで二度の撮影で使っていた”Velbon 卓上三脚 レバー式 EX-miniS 2段 小型 2Way雲台付 アルミ製 301840“ではなく、”Velbon カーボン三脚 中型 4段 3Way雲台マグネシウム製 Geo Carmagne E645M 444141“を使用して撮影を行うことができました。勿論、三脚の高さは控えめに設置したので、周囲に迷惑をかけることもありませんでした。三脚を控えめに設置すると、高い位置に上がる花火の撮影などがしずらくなりますが、そんな時に役立つのがバリアングル液晶モニターです。カメラの角度を変えても、バリアングル液晶を見やすい位置に再調整することで、常にベストな撮影を進めることができました。加えて、ライブコンポジット撮影では、多重撮影の進行状況を液晶モニターでチェックする必要があるので、まさにマストアイテムです。

当日の詳しい内容は、”大曲の花火 全国花火競技大会を観に秋田に行ってきたよ! (2) “大曲の花火 全国花火競技大会” 昼花火の部“と”大曲の花火 全国花火競技大会を観に秋田に行ってきたよ! (3) “大曲の花火 全国花火競技大会” 夜花火の部“をご覧下さい。

 

<前半の昼花火 “P プログラム撮影”による撮影例です。>

花火大会の前半に行われた昼花火は、日没の前後に行われたことと、煙の軌跡や色彩で花火の美しさを表現するスタイルということで、”P プログラム撮影” (ISO: 200)で撮影しました。補正などは一切行わず、カメラ自身が自動的に選択した設定のまま、撮影を行いました。

下の撮影例でお分かりのように、被写体が細い煙、あるいは細かい閃光でしたので、AFターゲットモードを オールターゲットに設定しておくことで、煙の一本一本まで、鮮明に軌跡を撮影することができました。クォリティとしては、一眼レフと比べても、全く遜色のない出来栄えに大満足です。

一番暗くなった場面でも、シャッター速度は1/200秒、露出はf9.0という結果でした。これなら、三脚は要らないですね。

<後半の夜花火 “ライブコンポジット”による撮影例です。>

前回の経験をもとに、コンポジット設定を2.5秒から3.2秒まで伸ばした方が、もうちょっと花火の軌跡を追えかも、ということで、最初の何枚かを3.2秒で撮影してみたのですが、結局、早々に2.5秒に戻して撮影することにしました。というのも、ライブコンポジットで花火を綺麗に撮るコツって、形と大きさ、そして展開する位置が異なる複数の花火を如何にバランス良く重ねるのか、というポイントに尽きるので、あまりコンポジット設定の値を長くしてしまうと、1 個の花火にかける露出時間が長くなることで白飛びしやすくなることと、重ねたい花火の数が相対的に減ってしまうため、結果的にバランスの悪い絵になってしまう可能性が高い、という結論に達したからです。ちなみに、露出は花火の種類に応じて f 9〜f22の間で調整、ISOは200に固定して撮影しました。

 

AFターゲットモードを オールターゲットに設定しておくことで、花火の軌跡の一本一本が、とっても鮮明に撮影できています。大きな画像で見ると、ディテールの素晴らしさに感動しちゃいますよ。真っ暗な夜空で、これほど繊細な花火を撮ることができるのは、EM-1しかないかもしれませんね。

 

ちょっと欲張りすぎた感はありますが、大玉の花火の迫力が伝わってくる一枚ですよね。

 

いやー、マジに繊細で美しい絵が撮れました。

微妙なグラデーションも、きっちりフォローできました。

ライブコンポジットを終了するタイミングをこまめに調整すれば、この手の花火も露出オーバーにならずに綺麗に撮れました。

撮った瞬間に露出オーバーかなあ、と思ったのですが、何ともファンタジックな絵に仕上がりました。

この日の集大成が、この1枚です。ライブコンポジットによる撮影も、随分、慣れてきた気がします。

2時間半に渡る今回の花火撮影では、およそ5百枚近い写真を撮りました。その殆どが、ライブコンポジット撮影でしたので、バッテリーの消費量はそれなりでした。ライブコンポジット撮影の場合は、2時間半の間、ずっと、カメラの電源を入れたまま、適時、液晶モニターを覗いている、といったスタイルになります。花火撮影のように、真っ暗ななかでの撮影では、サクサクとバッテリーを入れ替えるのも難しいので、残量が50%に近づいたタイミングで、バッテリー交換を行ったため、正確な消費量は分かりませんが、ざっくり言うと、今回のように、長時間に渡るライブコンポジット撮影ですと、バッテリーを2個用意すれば、余裕で撮影を続けることができると思います。ま、石橋を叩いて渡る的なリスクヘッジをするなら、バッテリー3個かなあ。

 

今シーズンは、花火を三回に渡って撮影してきたわけですが、正直な感想を言いますと、”OLYMPUS ミラーレス一眼 OM-D E-M1 MarkII“を買って大正解!でした。これまで、一眼レフで何度か花火を撮影してきましたが、ミラーレスで、これだけ繊細で美しい花火が撮れるなんて、思ってもみませんでした。やはり、大賞を受賞したカメラの実力は本物だった、という納得感。ある程度、慣れてしまえば、ド素人でも、ライブコンポジットを使えば、それなりに見栄えの良い花火の写真が撮れること間違いなしだと思います。加えて、ライブコンポジットは、他の場面でも、面白そうな写真が撮れそうな手応えを感じましたので、機会があれば、是非、ビックリするような写真に挑戦してみようと思っています。

今回、”OLYMPUS ミラーレス一眼 OM-D E-M1 MarkII“と”OLYMPUS ミラーレス一眼 レンズ 防塵 防滴 電動ズーム ED 12-50mm ブラック M.ZUIKO DIGITAL ED12-50mmF3.5-6.3 EZ BLK“の組み合わせで、期待以上の写真が撮れたので、風景写真に関しては、満足度はマックスです。

当面の残る課題は、ヒコーキ写真だなあ。ま、ソコソコの速度で移動する大型の民間航空機に関しては、このカメラで十二分に良い写真が撮れることは、これまでの経験で確認できたので、POOH的には、高速で移動する戦闘機を如何に上手に撮れるのか、というポイントに絞って、今後、何度かトライしてみようと思っています。成果がまとまったところで、後日、TALKするつもりです。お楽しみに。

 

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tomohiko

長年に渡りMacintosh向けの自作アプリを作り続けているPOOHです。最近はiPhone,iPad向けアプリ開発にも挑戦中。グルメ、旅行、露天風呂、写真、サイクリング、映画、STAR TREKが大好き。レトロでSFなおもちゃを大量にコレクション。プレーリードッグと同居中。

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