今更ながら一体型マックのRetina化にチャレンジしてみました (2) “一体型マック部品の除去・廃棄と筐体加工編”

前回のTALK”今更ながら一体型マックのRetina化にチャレンジしてみました (1)“で、嘗て皆が憧れた一体型マックのRetina化に必要な基本パーツが集まったので、時間を見つけつつ、次のステップに進むことにしました。

何はともあれ、一体型マックの中身を全て空っぽにしないとRetina化できないので、今回のTALKは解体編からスタートです。

<< 一体型マック部品の除去 >>

一体型マックの筐体を開けるために、最低限必要な工具は、”Mac Openner”と呼ばれるトルクスネジ用のドライバと、ネジを外した後に筐体を開ける特殊ツールです。POOHは、昔、SE/30を何度か改造した経験があるので、こうした工具を持っています。もし、いま調達しようと思ったら、”アネックス(ANEX) ヘクスローブカラービット T15x150 ACTX-1515“や”Mac用 こじ開け器“といったものが良いと思います。一体型マックのネジは、トルクスT-15という仕様なんですが、普通のトルクスネジ用のドライバですと、短くてNGです。

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こういった工具を使って、こんな要領で、一体型マックの筐体を開きます。

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取っ手の奥のネジがかなり深いので、普通のドライバではネジを回せません。筐体のネジ以外にも、一体型マック内部のシャーシーを取り外す際にも、何箇所かトルクスT-15仕様のネジが使われていて、しかも、どれも奥まったところなので、やはり柄が長いドライバは必須です。

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専用工具があれば、筐体を開けるのは数分で済みます。ここからは、トルクスネジ用ドライバ、太めのプラスドライバ、ケーブル切断用のペンチなどがあれば、筐体内部の部品を解体できます。但し、ブラウン管モニター部分と電源周りの回路盤(縦に刺さっているやつ)に関しては、高電圧が流れている恐れがあるので取扱い注意です。今回落札した一体型マックClassic IIとColor Classicは、10年ほど通電していなかったモノなので大丈夫でしたが、動作確認済みあるいは通電はするもののジャンク、といった出品物の場合は、こういった部品が問題なく放電できているかどうか、十二分に気を付けて取り扱って下さいね。下手すると感電しますので、電気周りに自信がない方は、こういった作業を決してご自身を行ってはいけません。

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PC全般に関する知識があれば、内部の部品を解体する作業は、1時間もかからないと思います。丁寧に解体していくと、懐かしい部品にも巡り会えますよ。解体した部品やシャーシー類は、リサイクルできるパーツもあるので、所定の手続きを経て、ちゃんと廃棄して下さいね。とりわけ、ブラウン管モニターは、”家電リサイクル法 (特定家庭用機器再商品化法) (METI/経済産業省)“に抵触しますので、処分には相応に面倒な手続きを伴います。ちなみに、東京都大田区に在住している我が家が、解体後の粗大ゴミをどのように処分したのかという顛末を、このTALKの最後に<<備忘録>>として残しておきます。(勿論、解体したパーツをちゃんと精査すれば、未だ使えるものもあると思いますので、その辺りは個々人のスキル次第、あとデータが記録されているディスクの廃棄は慎重に。)

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Classic IIの解体完了!

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続いて、Color Classicも解体。要領は、Classic IIと同じです。

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上から見ると、奥行きの違いが分かりますね。右側がColor Classicです。それと、上から撮影すると、筐体の状態も写真で判別が付きやすいですね。オークションの出品で掲載している写真って、なかなか実際の状態を判別しづらいので、筐体への光の当たり加減って大切ですね。ちなみに、Color Classicの方が黄ばみが激しいので、落札価格もClassic IIの1/3程度でした。

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<< 筐体加工編 >>

残ったパーツのなかで、一番気になるのが、Retina仕様の9.7インチ液晶ディスプレイが、一体型マックのがわに収まるのかどうかです。写真はClassic IIです。

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一体型マック Classic IIのディスプレイ枠のサイズが、縦 135mm x 横 185mm。(PlusやSE/30といったモデルに比べると、ブラウン管モニターのカーブが少ないので、液晶ディスプレイとのフィット加減はまずまずっていう感じ。(隙間ができる量が少ないっていう意味。))

9.7インチ液晶ディスプレイが、縦 150mm x 横 199mm。つまり、一体型マックのがわを、上下それぞれ 7.5mm、左右それぞれ 7mm削らないと、液晶ディスプレイがちゃんと収まらない計算になります。実際にオリジナルの筐体に液晶ディスプレイを重ねてみても、画面上部のメニューが、このままじゃあ、ぜんぜん見えない。んんん、思っていた以上に、筐体を削らなくてはならない感じ。どうするかなあ。

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筐体を削るためのツールの選定については、随分と悩みまくりました。というのも、マックに解体ぐらいまでなら何度も経験があるものの、切る、削るといった工作系は全くの素人で、ま、ノコギリで木材を切ったり、電動ドリルで穴を開けたり、ネジを締めたことぐらいの経験値。

最初は、DYI系のホームセンターなどで加工してもらうという選択肢も考えたんですが、数軒のお店をチェックしたみたところ、店内で購入した材料を加工するサービスっていうのが一般的で、持ち込んだモノの加工は、万が一の時に替えが効かないこともあって、サービス対象外。ならば、我が家は、下町の優秀な工場が近くなので、どこか、個人の依頼でも、プラスチック(正確には、一体型マックの筐体はABS樹脂製)の加工を請け負ってくれる工場がないかなあ、とネットで調べてみた結果、下町ロケットみたいな町工場が見つかったので、早速、連絡をとって、実際にお邪魔して、相談してみることにしました。

最初は、Classic IIとColor Classicの両方をお願いしようと思ったんですが、Color Classicに関しては、内部のリブも除去しないと液晶ディスプレイを収納できず、その分、加工工賃も増えてしまうので、今回は、筐体の状態が良いClassic IIの方をお願いしました。そんなわけで、Color Classicの方は、自分で加工作業にトライしてみても楽しいかなあ、と思い、出来るだけ加工に最適っぽい工具を探してみました。

最初に、目に付いた工具が、”プロクソン(PROXXON) ミニルーターセット MM100 No.28525-S“。ただ、一体型マックの筐体の厚みが4mmほどあって、しかも硬いので、ミニルーターのパワーでは削れないかも?後、”オルファ(OLFA) PカッターL型 205B“や”オルファ(OLFA) ホビーのこ 167B“なども候補でしたが、かなり手間がかかりそうなので、今回は却下。

ということで、次に着目したのが、”EDS-100 MK ミニデルターサンダー 25-526“という工具。こちらは、切断ではなく、サンドペーパーで削るための電動工具。しかも、2千円台で購入できるので、もしうまくいかなくても、痛手は少ない。

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さて、上手に加工できるかなあ。つづく。

<< 備忘録 >>

解体後に出た一体型マック内部の部品を、どのように処分するのか、という点は、エコシステム的に極めて重要なポイントです。なお、以下に記載する内容は、東京都大田区の場合ですので、各自、お住いになっている自治体が示すルールのもとで、的殺な処分を行なって下さい。

東京都大田区の場合、回路基板等は、燃えないごみの日に、小分けにすることで処分できました。

但し、ブラウン管モニターについては、ルール違反ということで回収してくれず、購入した販売店に相談すること、といった項目にチェックが入ったイエローカードが貼られていました。

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そんなわけで、”大田区の粗大ごみ受付けセンター“に電話して問い合わせてみると、パソコンの場合は、”一般社団法人 パソコン3R推進協会“が担当している、ということでしたので、そちらに改めて問い合わせてみました。で、推進協会の説明では、パソコンとは筐体に収めてある状態のもの、という定義なので、パソコンから取り外した部品、とりわけ稼働しないパーツについては、自治体が粗大ごみとして処理することになっている、ということでした。んんん、例によってたらい回しモード。

仕方ないので、推進教会の説明内容を、またまた自治体の粗大ごみ受付けセンターに話してみると、今度はサイズを尋ねらたので、その旨を答えた結果、受付けセンターからの回答は、次回の燃えないごみの回収日に、自治体から回収して良いと言われた旨のメモを貼って、ブラウン管モニターを出して構わない、ということになりました。ふう。結局、パソコンあるいは家電といったカテゴリの定義が、担当部署によってマチマチっていうことなんだと思います。恐らく、お住いいなっている自治体によっても、こういったことは解釈や取扱いがバラバラだと思われますので、一番、面倒のない手順としては、今回のように、自治体->パソコン推進協会->自治体といった流れを最初から想定したうえで、問い合わせてするのが良いのかもしれませんね。その際、最初の自治体への問い合わせの際には。パソコン本体ではなく、既に動かなくなったブラウン管モニター単体で、大きさがこのぐらい、と明確に説明することが最善の構えかもしれませんね。

そんな経緯を経て、再度、燃えないごみの日に、大きなメモ(いつどこに問い合わせをして了解をもらったのかを記載。)を付けて出したところ、こんどはちゃんと回収してもらえました。ふう。

ちなみに、そういった問い合わせそのものが面倒、とは思わないで下さい。これも、パソコンを解体して楽しむためのお作法のひとつなので、世の中のルールをちゃんと守って、自身の趣味を楽しむことが大前提です。最初からルールを守れそうにない方は、別の楽しみ方を考えて下さい。よろしくお願いいたします。

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tomohiko

長年に渡りMacintosh向けの自作アプリを作り続けているPOOHです。最近はiPhone,iPad向けアプリ開発にも挑戦中。グルメ、旅行、露天風呂、写真、サイクリング、映画、STAR TREKが大好き。レトロでSFなおもちゃを大量にコレクション。プレーリードッグと同居中。

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