Adobe Lightroomの写真管理と現像作業を大幅に時短してくれる神機 KORG USB MIDIコントローラー nanoKONTROL2
我が家では、旅行先で撮影した写真を“Adobe Lightroom” (“Lightroom Classic”)で一括管理しています。理由は超定番アプリなので安心感がありますし、何より素人でも簡単に写真の現像作業ができるからです。勿論、有料アプリですが、値段以上の価値を感じる数少ないアプリのひとつだと思っています。
POOHが撮影する被写体は、圧倒的にヒコーキが多いです。プロの写真家は別として、素人が撮ったヒコーキ写真の現像作業は、おおよそ手順が決まっています。”自動補正”をした後、各パラメータを微調整し、滑走路が写っている写真は”Uplight”の”自動”で水平方向をぴったり合わせる、といった流れです。
基本的には、この流れで現像するわけですが、海外のエアショーで撮影した写真となると、一度の旅行で、その枚数は1万枚近くなるので、いくら簡単な作業と言っても、毎回、かなりの時間を必要としています。(最低でも1週間はかかっています。)
(1) MIDIコントローラーで写真の現像作業を効率化する
“Adobe Lightroom”の現像作業は、その殆どをマウス操作で行います。そのため、長時間作業を行っていると、必然的に作業精度や効率が落ちてきます。こうした傾向は、PC環境で音楽制作をする場合も同様で、”MIDIコントローラー”を使って、物理的なツマミやボタンで操作した方が、より直感的で楽器に近い制作を行えるのだそうです。
そこで、”Adobe Lightroom”の現像作業も”MIDIコントローラー”で代用できないか?ということで、ネットでいろいろ調べてみました。
“Adobe Lightroom”の現像作業であれば、”MIDIコントローラー”と言っても、鍵盤や複雑なインタフェースなどは必要ないので、ツマミ、ボタン、スライダーが配置されている簡易な”MIDIコントローラー”で十分です。”Adobe Lightroom”用のプラグインソフトとの相性とお値段の手頃さを条件に絞り込んだのが次の製品です。
“KORG USB MIDIコントローラー NANO KONTROL2 ナノコントロール2” (以下、”nanoKONTROL2″)。
“ベリンガー USBコントローラー X-TOUCH MINI” (以下、”X-TOUCH MINI”)。
POOHはmacOSを愛用しているので、”nanoKONTROL2″であれば製品のスペック上も互換性に問題はなさそうです。一方の”X-TOUCH MINI”は機能面では魅力的なのですが、ファームウェアのアップデートはWindows環境オンリー、本体サイズ(奥行き)が若干大きいというところが気になりました。ということで、今回は初めての体験ということもあり、3〜4千円台で購入できる“KORG USB MIDIコントローラー NANO KONTROL2 ナノコントロール2” を導入することにしました。
(2) Lightroom専用プラグイン MIDI2LRをインストールする
MIDIコントローラーである”nanoKONTROL2″で”Adobe Lightroom”の各機能を実行するために、”MIDI2LR”というLightroomのプラグインをインストールします。
“MIDI2LR”は無料で利用できますが、後述の通り、継続した開発を支援する目的で寄付をすることをオススメします。また、これ以降の解説は、macOS環境が前提です。
“MIDI2LRのホームページ“にアクセスして、”Latest Release – Download”ボタンをクリックします。
“GitHub”上の開発ページに移動するので、最新バージョンの”osx-installer.dmg”をクリックしてダウンロードします。
ダウンロードしたイメージファイルをダブルクリックして開くと、”MIDI2LR”プラグインのアイコンが現れるのでダブルクリックします。
下図のような警告メッセージが表示されますので、”OK”ボタンをクリックしてメッセージを閉じます。
macOSの”システム環境設定”を開き、”セキュリティとプライバシー”項目をクリックすると、パネルの下部に下図のようなメッセージが表示されているので、”このまま開く”ボタンをクリックします。
すると、インストーラが起動し、言語選択画面が表示されるので、”Japanese – 日本語”を選択して”OK”ボタンをクリックします。
ようやくセットアップ画面が表示されるので、ウィザード画面に沿って”MIDI2LR”をインストールします。
“MIDI2LR”のインストールが完了したら、”終了”ボタンをクリックします。
“Readme”ファイルが自動的に開きます。
“OK”ボタンをクリックすると、下図のような画面が表示されるので、”MIDI2LR”の開発支援のために、皆さんの気持ちの範囲で寄付して下さい。
(3) MIDI2LRにLightroomの各機能を割り当てます
“Adobe Lightroom”を起動すると、”MIDI2LR”プラグインも合わせて起動します。
ここで、”nanoKONTROL2″上のボタンをひとつを押してみて下さい。すると、下図のように、押したボタンに対応した”MIDIコマンド”が”Unmapped”と表示されるので、”Unmapped”部分をクリックします。
下図のようにポップアップメニューが表示されるので、押したボタンに割り当てる”Adobe Lightroom”の機能を選択します。例えば、ボタンを押したら”Adobe Lightroom”の”ライブラリ”画面を表示したければ、下図のように”表示のショートカット->表示 ライブラリ”を選択します。
ボタンに限らず、”nanoKONTROL2″上のツマミやスライダーも同様の手順で機能を割り当てていきます。
割り当てを終えると、下図のような感じになります。これで割当作業は完了です。実際に、”nanoKONTROL2″上のオブジェクトを操作して、”Adobe Lightroom”が割り当てた通りに機能を実行することを確認して下さい。なお、”MIDI2LR”プラグインの画面は閉じないで下さい。
(4) MIDI2LRプラグインの便利機能を使ってみます
上記の手順で機能の割り当ては完了しますが、”MIDI2LR”プラグインの便利な機能を3点確認しておきましょう。
1点目は、”MIDI2LR”プラグインに割り当てた内容のバックアップです。
“MIDI2LR”プラグインの”保存”ボタンをクリックすると、”MIDI2LR”プラグインに割り当てた内容を別ファイルにバックアップしておくことができます。
バックアップしたファイルは、”MIDI2LR”プラグインの”読込み”ボタンで”MIDI2LR”プラグインに反映できます。
2点目は、”MIDI2LR”プラグインの表示を隠す機能です。
何もしないと、”Adobe Lightroom”を使用している間、”MIDI2LR”プラグイン画面は背面で表示されたままです。これは鬱陶しいので、”MIDI2LR”プラグインの”設定”ボタンをクリックして、”自動的に隠す”項目の数値を”1″に設定することで、”Adobe Lightroom”起動時、MIDI2LR”プラグインが起動した1秒後に”MIDI2LR”プラグイン画面が”Dock”に自動的に収納されます。ちなみに、”Adobe Lightroom”を終了すると、”MIDI2LR”プラグイン画面も合わせて自動的に閉じます。
3点目は、最新バージョンのお知らせ機能です。
最新バージョンがリリースされると、”MIDI2LR”の起動時に、下図のようなお知らせが表示されます。表示部分をクリックするとダウンロード・ページに遷移しますので、macOS版のインストーラーをダウンロードし、再インストールすれば、アップデートを完了できます。
(5) “nanoKONTROL2″にラベルを貼っておきます
このままですと、”MIDI2LR”プラグインに割り当てた”Adobe Lightroom”の機能が分からなくなってしまいますので、”nanoKONTROL2″に割り当てた機能を示すラベルを貼っておくと良いと思います。
POOHの場合は、左側のボタンに、ヒコーキ写真の現像で必ず利用する機能を割り当てました。
例えば、”現像 – 基本補正 – 自動補正”、”現像 – 変形 – Uplight 自動”、”書き出し”、”現像 – レンズ補正 – 色収差を除去”、”現像 – レンズ補正 – プロファイル補正を使用”、”Photoshopで編集”といった感じです。
ただ、細かいことですが、取り急ぎ百均で売っていた印刷ラベルを使ったので、時間が経つとラベルが浮いてしまいます。後日、ちゃんとしたラベルを購入して、剥がれないように改良しようと思っています。
もう少し粘着力の強いラベルシールじゃないとうまく貼れないと思い、”エーワン ラベルシール 強粘着 A4 ノーカット 18シート 28415“という強粘着の製品を購入して、ラベルを貼り直しました。
ま、多少不揃いなところは目をつむるとして、今回はしっかりラベルを貼ることができました。
(6) nanoKONTROL2の置き場所によってはUSBコネクタが邪魔になります
POOHのデスク環境では、”iMac Pro“の手前に、キーボードと”nanoKONTROL2″を並べておくスペースがないので、キーボードの右横に”nanoKONTROL2″を置くようにしました。そうすると、nanoKONTROL2″のUSBコネクタとキーボードが干渉してしまい、写真のような置き方になってしまいます。
対策として購入したのが、”変換名人 miniUSB延長ケーブル [ 左向きL型・オス – メス ] [ 20cm ] USBM-CA20LL“です。
こんな感じでケーブルを後ろ側に逃がすことができます。
とは言え、次期バージョンの”nanoKONTROL2″では、是非、左後ろ辺りにUSBインタフェースを移動させてくれると有り難いですね。
(7) “nanoKONTROL2″の置き場所を省スペース化する
キーボードの隣りに”nanoKONTROL2″を横置きして、しばらく使っていたのですが、やっぱり使い勝手がいまひとつ。
ということで、アマゾンでいろいろ物色してみた結果、評判の良い車載ホルダー “JunDa スマホ車載ホルダー クリップ式 カーマウント HUDシミュレーション設計 スマホスタンド 着脱簡単 ダッシュボード・デスクにも適用 【12ヶ月安心保障】“を試してみることにしました。
我が家では、”iMac Pro”を”Winhi 机上台 モニター台 机上ラック パソコン USBポート×4 キーボード収納 アルミ+ABS+PC 17cmx57cm シルバー ” (“Winhi 机上台 モニター台 机上ラック パソコン USBポート×4 キーボード収納 アルミ++ABS+PC 17cmx57cm シルバー“)の上に設置しているので、車載ホルダーを活用することで、立体的に”nanoKONTROL2″を設置できるのでは?という思いで購入したわけです。
“nanoKONTROL2″が横長なので、左側のボタンを押す際、”nanoKONTROL2″を指で軽く支えることになりますが、個人的には許容範囲の操作性です。
縦置きにすることで、理想的に省スペース化できましたし、ラベルも見やすくなったのも好印象です。
(8) 1ヶ月ぐらい使ってみた感想
上記(7)の操作環境で、およそ1ヶ月ほど、”Adobe Lightroom”で写真の現像を実践してみました。
“Adobe Lightroom”上の操作って、メニュー操作やマウス操作の頻度が高いので、それらを物理的なボタン操作に置き換えた操作性の向上は飛躍的といって良いかと思います。操作性の向上を数値で示すのは難しいですが、体感的には半分ぐらいの手間で写真の現像が捗るようになりました。これはいいですよ!
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