OLYMPUS ミラーレス一眼 OM-D E-M1 MarkIIで本格的にヒコーキを撮ってみました (2)
“OLYMPUS ミラーレス一眼 OM-D E-M1 MarkIIで本格的にヒコーキを撮ってみました (1)“の続きです。
花火撮影については、”OLYMPUS ミラーレス一眼 OM-D E-M1 MarkIIで花火を撮ってみました (2)“をご覧下さい。
前回のTALKに続き、”OLYMPUS ミラーレス一眼 OM-D E-M1 MarkII ボディー“と”Panasonic 超望遠ズームレンズ マイクロフォーサーズ用 ライカ DG VARIO-ELMAR 100-400mm/F4.0-6.3 ASPH./POWER O.I.S H-RS100400“の組み合わせで、実際にどれだけヒコーキの写真撮影が可能なのか、実践の場で検証してみました。前回は、イギリスのRAIT 2017と小松基地でE-M1を試してみたので、今回のTALKでは、写真を撮り慣れている”厚木飛行場“で、始めて E-M1を使ってみました。
(1) 8月下旬、35℃の猛暑のなかで、久しぶりに厚木飛行場へ
確か、8月上旬にフライインした後、カナダに旅行に行っていたり、天気が悪かったりで、なかなか厚木飛行場に行く機会がなかったのですが、8月下旬になって、ようやく天気が良い日があったので、短時間でしたが、猛暑のなか、現地に行ってきました。
ミラーレスの良さを実感したのは、こういった普段使いのバッグに、望遠レンズを付けたまま、カメラを持ち運びできることですね。こうした手軽さで、ヒコーキの撮影を本格的に出来るんだったら、近い将来、重たい一眼レフを手放してもいいんだけどなあ。
今回は、これまでの撮影実績をもとに、
・AFスキャン: mode3 (被写体にピントが大きく合っていないときやコントラス トがはっきりしていないときに、至近~∞までの全域に わたってピント位置を探す動作を行うという設定。)
・レンズ手ぶれ補正優先: “Off” (カメラ本体の手ぶれ補正を優先するという設定。)。
・レリーズ優先C: “Off” (コンティニュアスAFの時、ピントが合わなくなったらシャッターが切れないという設定。)。
・連写中手ぶれ補正: “連写速度優先”から”IS優先” (手ぶれ補正を優先する設定。)に変更。
・AFターゲットモード: “オールターゲット”のまま。
といった設定で撮影に臨みました。
望遠端の400mmも、ソコソコ、ピントが合ってくれています。
着陸シーンがメインでしたので、被写体の移動速度も早くはなく、フレームを合わせやすかった感じです。
外来機 岩国基地に展開中の”Bats”も、ちゃんと撮れました。
第七艦隊司令官機 (COMSEVENTHFLT)や、
海上自衛隊機もいい感じで撮れました。
そんななかで、残念だったのは、この1枚。連写モードなので、前後数十枚に渡って、ボケボケの写真になってしまった場面に遭遇しました。この日は、一度きりでしたが、撮っている時点では、とてもいい感じだったので、この結果は正直言ってショックでした。設定上は、レリーズ優先Cを”Off”にしているので、このようにピントが外れてしまったら、シャッターが切れないはずなんですが、こういったミスを回避するには、どうしたら良いのかなあ?
上記の件は、個人的に大きな課題だと思っていますので、引き続き、改善に向けて、いろいろ試してみようと思っています。
後、ミラーレスの特徴とも言える電子ファインダで、連写モードで撮影する際、ファインダ内の画像がカクカクする現象も気になっています。もしかすると、連写モードの設定を”連写H”から”低振動撮影”あるいは”静音撮影”に変更することで、こういった現象を軽減できるのかなあ?
(2) 8月下旬に、もう一度、厚木飛行場へ
E-M1でヒコーキを安心して撮影するためには、もう少し、納得感のある状態まで持っていかないとなあ、ということで、週明け、快晴の日を狙って、再度、厚木飛行場で、いろいろと試してきました。結論から言うと、ようやく、これなら大丈夫そう、という感触を得ることができました。
まずは、E-M1の連写モードをいまいちど確認しておきます。E-M1には、以下4種類の連写モードを利用することができます。
・連写H: シャッター全押しの間、最大約15コマ/秒で連写が可能。但し、最初の1コマでAF、露出、ホワイトバランスが固定。
・連写L: シャッター全押しの間、最大約10コマ/秒で連写が可能。連写中のAFと露出はAF方式に従って固定。
・低振動撮影 ♦連写L: シャッター動作による微小なぶれを低減して連続撮影。連写性能は不明。
・静音撮影 ♥連写L: シャッター音を立てずに連続撮影。最大約11コマ/秒で連写が可能 (Web上の説明より)。
POOHのように、比較的高速で移動するヒコーキを撮る場合、AF方式は、”C-AF (コンティニュアスAF)”または”C-AF+TR(追尾AF)”を設定しているはずなので、連写モードは、連写Lのいずれかということになります。実は、これまでの撮影で、”連写H”と”連写L”の違いをちゃんと把握できていなかったので、もしかすると、”連写H”で撮影していることが多かったかもしれません。一方、”低振動撮影”と”静音撮影”に関しては、いまひとつ具体的なスペックが分からないのですが、折角、ミラーレスにしたので、”静音撮影” + “C-AF”で撮影してみることにしました。
で、”静音撮影” + “C-AF”で撮影してみると、再現性がある現象が発生することが分かりました。
ズームリングを使って、シャッターボタンの半押しを適宜しながら、焦点距離を一気に変更しつつ、連写を継続すると以下のような結果になります。なお、最初の3場面については、2枚目と3枚目の写真は、結果が分かりやすいように、大きくトリミングしています。
ちなみに、今回のように着陸する戦闘機が目の前を通過するシーンでは、これまでも、”Canon デジタル一眼レフカメラ EOS 7D Mark IIボディ EOS7DMK2“でも、こうした撮影を普通に行っています。
<318mmから100mmに一気に変更した場合>
<318mmから100mmに一気に変更した場合>
<213mmから100mmに一気に変更した場合>
<146mmから100mmに一気に変更した場合>
お分かり頂ける通り、焦点距離を100mmに一気に移動した直後の1枚目に限り、必ずボケています。ただ、2枚目以降は、しっかりフォーカスが合い、その後の写真については、トリミングしても全く問題ないレベルで撮影できていました。なお、こうした特徴は、”OLYMPUS ミラーレス一眼 OM-D E-M1 MarkII ボディー“と”Panasonic 超望遠ズームレンズ マイクロフォーサーズ用 ライカ DG VARIO-ELMAR 100-400mm/F4.0-6.3 ASPH./POWER O.I.S H-RS100400“の組み合わせによるものかもしれません。
これで、前回の撮影で、ボケた写真になってしまった原因が、”連写H”によるものであることが判明しましたし、”EM-1″では、”静音撮影” + “C-AF”で撮影することで、”EOS 7D Mark II”と同じぐらいのクォリティでヒコーキ撮影を行うことができる、という確信を持つことができました。(1枚だけボケることを承知のうえで。)
あ、そうそう、今回トライした”静音撮影”ですが、シャッター音がしないので、最初は気持ち悪かったのですが、慣れてくると、電子ファインダ内のカクカクも、普通の連写モードと比べて少ないこともあって、なかなか快適じゃない!と思えるようになりました。
後、厚木飛行場でご一緒した人たちからは、「あれ、カメラ変えたの? やっぱり一眼レフって重たいので、ミラーレスにしたいんだけど、AF性能とかタイムラグとかは大丈夫?」って聞かれました。やはり、ヒコーキファンのうち、特に中高年層の人たちは、重くて大きな一眼レフからミラーレスにシフトしたいと思っている人たちが多いみたいですね。そういうニーズをしっかり捉えたマーケティングを各社進めていかないと、気がついた時には、オリンパス一色になっちゃたね、ということになりかねないかもよ。
それと、補足になりますが、この日、連写性能も手伝って、およそ1,500枚ぐらい撮影したのですが、バッテリーの消費量は、たったの20%ぐらいでした。やはり、”EM-1 Mark II”で改良したバッテリーの大容量化も、評価すべきポイントのひとつだと思います。
以下、気持ち良く撮影できた写真の一部をご紹介します。厚木飛行場で、こうした戦闘機を、日常的に撮影できる機会も、残り僅かになりましたので、出来るだけ、こうした機会を利用して、航空祭やエアショーで、気持ちよく撮影できるように、練習をしておきたいと思っています。
当日撮影した写真は、”FlyTeamのチャッピー・シミズ マイページ”(チャッピー・シミズは、POOHのハンドルネームです)で公開していますので、興味がありましたら、そちらをご覧下さい。
この日は、大型機、中型機、戦闘機をバシバシ撮ってみたのですが、撮った写真を見返してみると、”EOS 7D Mark II”と区別が付かないほど、いい感じだったりします。これだったら、”EM-1″をメインで使ってみても、アリだなあ。
Carrier Airborne Early Warning Squadron 125 (VAW-125) “Tigertails” Marine Corps Air Station Iwakuni。
第27戦闘攻撃飛行隊 Strike Fighter Squadron 27 (VFA-27) Royal Maces。
第195戦闘攻撃飛行隊 Strike Fighter Squadron 195 (VFA-195) Dambusters Chippy Ho。
第141電子攻撃飛行隊 Electronic Attack Squadron 141 (VAQ-141) Shadowhawks Ready on Arrival。
POOHが作ったアプリ”ウインドソック WindSock”を現地で動作確認した際のサンプルです。ご参考までに 。
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