OLYMPUS ミラーレス一眼 OM-D E-M1 MarkII + Panasonic ライカ DG VARIO-ELMAR 100-400mmを買いました (1)
先日のTALK”最近、”ヒコーキ写真テクニック2017夏 (イカロスMOOK)”を読んでみました“で、個人的にも気になり始めたミラーレスカメラを、やっぱり買っちゃいました。
あ、それと、”ジェットダイスケ“さんの”驚きのAF性能!OM-D E-M1 Mark II オリンパスの一眼は化物か!? 超望遠の高速連写でここまでカワセミのホバリングに食らいついた“の動画も、ビジュアル的にとても参考になりました。
(1) なぜいまミラーレスカメラが欲しくなったのか
(a) カメラ機材を軽量化したい
これからの季節、国内の航空祭、海外のエアショーが数多く控えているなか、カメラ機材をもっとコンパクトにしたい、というのが、ミラーレスカメラに触手が動いた動機になります。
とりわけ海外のエアショーですと、バックアップも兼ねて、一眼レフカメラを2台、望遠レンズを2本、標準レンズを2本といった機材を持ち歩くことになります。普通の一眼レフカメラですと、これだけまとまると、メチャメチャ重たいんですよね。ま、うち1台は一眼レフカメラだとしても、残りの1台はミラーレスカメラで軽量化できないかなあ、という思いが、今回のお買い物の目的です。
ただ、従来のミラーレスカメラですと、軽量なのはいいけど、連写とAF、そしてファインダーの各性能が、ヒコーキ撮影には向いていなかったので、これまでは、正直なところ、スルーしていました。でも、ここ最近、ミラーレスカメラのウィークポイントと思われていた部分が、大幅に改良され、むしろ注目すべきポイントに変化してきたので、このタイミングで、ミラーレスカメラに手を出し始めてもいいかなあ、と思った次第です。
(b) 一眼レフカメラの連写性能をカバーしたい
POOHの使用機材は、
・”Canon デジタル一眼レフカメラ EOS 7D Mark IIボディ EOS7DMK2”
の2台体制です。
どちらも、ヒコーキの写真撮影に向いている一眼レフカメラなわけですが、今年に入ってから、JPEGからRAW撮影に切り替えたこともあって、EOS 7D Mark IIで連写撮影する際、”CFカード“で記録していると、途中で息切れしてしまい、シャッターが切れなくなる場面が多発しています。カメラ本体の性能なのか、あるいはCFカードの限界なのか、その原因は定かではありませんが、さすがに、撮影途中でシャッターが切れなくなくのには困っています。一方、D500の連写撮影はすこぶる快適なので、ある意味、EOS 7D Mark IIの後継機探しの一環として、ミラーレスカメラの可能性を自分自身の目で確認したかったという動機もあります。勿論、EOS 7D Mark IIIの登場が最もベストな解なのですが、つい先日、”EOS 6D Mark II“が発表になったばかりですので、その可能性はやや低いのかなあ?
(c) 各社毎にマウントシステムが異なる現状に不満あり
数年前から、ヒコーキ写真にフォーカスするようになって、カメラを何台か買い替えてきたのですが、その際、最も不満だったのが、各社毎に独自のマウントシステムを採用しているので、レンズの選択肢が限られてしまうこと。
で、今回は、軽量化がメインの目的だっていうこともあり、”マイクロフォーサーズ“規格を採用するメーカに絞って検討することにしました。とは言え、まだまだ参加企業が少ないのは残念なところですが、少なくとも、ミラーレス分野で素晴らしい製品を出している”オリンパス“と”パナソニック“2社の製品をクロスオーバーで選択できる自由度は、ユーザにとっても、とても魅力的です。
(2) カメラは実際に触ってみなくちゃ違いが分からないですから…
カメラに関しては、記事を読んだだけは良し悪しを判断できないので、購入を前提に、リアルな量販店で、実際にお目当てのカメラをいじり回してきました。
今回のターゲットは、次の2機種です。
・”OLYMPUS ミラーレス一眼 OM-D E-M1 MarkII ボディー“。
・”Panasonic ミラーレス一眼カメラ ルミックス GH5 ボディ ブラック DC-GH5-K“。
実は、どちらにするかは一瞬で決まりました。それは、OM-D E-M1 Mark IIです。なぜかと言うと、GH5はカメラ本体のサイズと重さがまるでデジタル一眼レフカメラそのまま、という印象だったからです。POOH的には、コンパクトで軽いけど、ヒコーキも撮れるミラーレスカメラが欲しかったので、GH5は速攻NGとしました。ま、このカメラは、三脚に付けて動画を自撮りするユーチューバーさんたちには人気があるでしょうが、フィールドで使っていて、やっぱりミラーレスはいいねえ!と思えるカメラではなさそうです。
今回は、事前に取扱説明書をダウンロードして読んでおいたので、OM-D E-M1 Mark IIの実機で、いろいろ操作を試してみた結果、ま、これならありかなあ、という感触を持てました。
で、OM-D E-M1 Mark II、届きました。
細かい開封の儀っぽいレビューは割愛します。パッケージを開けながら、ちょっと気になったのが、こちらのバッテリーチャージャー。電源ケーブル仕様なんですね。ま、ホテル等で充電する時などには便利かもしれませんが、旅行先では、出来るだけ部品点数が少ない方が良いので、この電源ケーブルはちょっとねえ。
逆に、購入前には気が付かなかったけど、これはいいぞ!と思ったのは、SDカードスロットが2個あるっていうこと。上のスロットはUHS II対応で、下のスロットはUHS I対応になっています。この2つのスロットは、画面設定で、自動切換、振り分け、同一書き込みといった使い方が可能です。キャノンやニコンのように、特殊な記録媒体じゃなくて、どちらも、SDカードっていうところがいいですよね。
それと、このTALKでは詳しく触れませんが、小さなストロボが付属品として同封されています。POOHに限らず、ストロボを使う場面は、そうそう多くはないと思いますので、このように、カメラ本体から取り去って、付属品としてパッケージに同封する、といったスタイルは、とっても良いアプローチだと思います。
(3) ヒコーキを撮るので最低でも400mmの望遠レンズが欲しいなあ
ヒコーキとは言っても、POOHの場合は、7割ぐらいの比率で、戦闘機を撮る機会の方が多いので、被写体のサイズを考えると、300mmでは物足りません。
OLYMPUS製のM.ZUIKOレンズですと、
・”OLYMPUS 単焦点レンズ M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO 超望遠 マイクロフォーサーズ用” + “OLYMPUS マイクロフォーサーズ用 1.4X リアコンバーター MC-14“が焦点距離として該当しますが、POOH的には、戦闘機に単焦点レンズってあり得ない派。
こういう時、”マイクロフォーサーズ“という規格が本領を発揮します。
OLYMPUSのOM-D E-M1 Mark IIに、
・”Panasonic 超望遠ズームレンズ マイクロフォーサーズ用 ライカ DG VARIO-ELMAR 100-400mm/F4.0-6.3 ASPH./POWER O.I.S H-RS100400“を装着することができるんですよね。
というわけで、ライカというブランドにも惹かれて、望遠レンズはこちらで決まりです。
1点気になったのは、付属の三脚座がランドスケープとポートレート位置、90度しか回転しないので、実際、三脚座を付けたままズームリングを回してみると、結構邪魔な感じです。キャノンやニコンみたいに、逆ランドスケープ位置まで回転できると、普段はハンドル代わりになるので、なかなか便利なのですが。ま、理屈的には、逆ランドスケープで撮影する場面がないので、90度回転という仕様なんだとは思いますが、ちょっとだけ残念かなあ。
カメラ本体にレンズを装着してみました。あれ?メーカーが違うのに、全然違和感がないぞ。一眼レフカメラでも、こういうスタイルに進化していけば、ユーザの選択肢が爆発的に拡大するでしょうし、加えてマイクロフォーサーズ陣営がもっと大きくなっていくといいのになあ、と思った瞬間でした。
(4) 最低限必要なアクセサリー類を用意します
SDカードは山のように持っているので、その他のアクセサリー類を、以下の通り、最低限の範囲で用意しておきます。
(a) “Kenko 72mm ケンコー PRO1Dプロテクター(W)【アウトレット】化粧箱無し 黒枠”
こちらは、アウトレット製品なので、こんな感じ。ケース内のプラスチックが破損しているところがアウトレットなのかなあ?ま、フィルター本体には支障がないようなので、安かったから、ま、いいかなあ。
(b) “OLYMPUS リチウムイオン充電池 BLH-1”
電子ファインダー付きのミラーレスカメラって、電池の消費量が大きいみたいですね。
ヒコーキを撮影するため、兎にも角にも連写撮影が多いので、リチウムイオン電池は余裕を持って用意しておきたいのですが、想定以上にお高いので、まずは1個だけ追加で用意しました。
もう1個は、”カメラグランプリ2017オリンパス三冠受賞 OM-D E-M1 Mark II受賞記念キャンペーン“に応募すると貰えるみたいなので、それはそれで有り難いですね。
(c) “HAKUBA デジタルカメラ液晶保護フィルムMarkII OLYMPUS OM-D E-M1 MarkII/E-M10 MarkII/PEN-F専用 DGF2-OEM1M2”
Kenko製にしようか迷ったのですが、取り急ぎ、お安い方で。
(5-1) 本当にコンパクトで軽量なのか!?<カメラ本体編>
まずは、カメラ本体から。
写真では、”EOS 7D Mark II“に純正のバッテリーグリップを付けていますが、公平を期す意味で、カメラ本体の大きさと重さを、カタログ値で比較してみます。本来、ミラーレスと一眼レフを比較するのは筋が違いますが、OM-D E-M1を導入したことで、個人的にどれだけ軽装備が可能となったのか、という視点での比較になります。実物を比べると、本体サイズにも大きな違いを感じますが、カタログ値ですと、あまりピンときませんね。一方、重さに関しては、EOS 7D Mark IIの0.6倍、”D500“の0.66倍の重さしかないので、海外のエアショーのように、長時間ぶっ続けで撮影するような場面では、OM-D E-M1はとても有り難い存在だと言えます。
(a) OLYMPUS OM-D E-M1 MarkII
・サイズ : 134.1(幅)× 90.9(高さ)× 68.9(奥行)mm
・質量 : 574g(CIPAガイドラインによる)/ 498g(本体のみ)
(b) Canon EOS 7D Mark II
左がEOS 7D Mark II + “Canon 望遠ズームレンズ EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM フルサイズ対応 EF100-400LIS2“、左がOM-D E-M1 + Panasonic 100-400mm。
・サイズ : 約148.6(幅)× 112.4(高さ)× 78.2(奥行)mm
・質量 : 約910g(CIPAガイドラインによる)/ 約820g(本体のみ)
(c) Nikon D500
左がD500 + “SIGMA 望遠ズームレンズ Contemporary 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM シグマ用 745561“、右がOM-D E-M1 + Panasonic 100-400mm。
・サイズ : 147(幅)× 115(高さ)× 81(奥行)mm
・質量 : 約860g(CIPAガイドラインによる)/ 約760g(本体のみ)
(5-2) 本当にコンパクトで軽量なのか!?<望遠レンズ編>
望遠レンズについては、同じ100-400mmで比較してみると、Panasonic製の方が、長さでCanonの0.88倍、重さで0.6倍とかなりコンパクトになりました。重さだけで言うと、OM-D E-M1とPanasonicレンズの組み合わせで、Canonの0.6倍ですので、長時間の撮影に向いています。一方、レンズの長さについては、カタログ値上は微妙な違いとは言え、最近ではレンズの長さに制限を設けている航空祭も登場してきたので、Panasonicレンズの6インチ強というサイズ感は、概ね許容範囲内のレンズだと言えます。
上がCanonで、下がPanasonic。
左がPanasonicで、右がCanon。
(a) Panasonic LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm / F4.0-6.3 ASPH. / POWER O.I.S.
・最大径 × 長さ: φ83 × 171.5 mm
・質量 : 約985g
(b) Canon EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM
・最大径 × 長さ: φ94 × 193 mm
・質量 : 1,570g
(6) フィールドで使い始める前にファームウェアのアップデートをしておきましょう
実際に、フィールドでいろいろ試す前に、カメラとレンズのファームウェアを最新版にアップデートしておきます。
POOHの場合は、iMacとカメラ本体を、カメラに付属のUSBケーブルで接続します。ちなみに、このケーブルは、カメラ本体側がUSB-C、パソコン側がUSB 2.0仕様になっています。将来的には、両端ともに、USB-Cに統一するんでしょうね。
ファームウェアのアップデートは、”OLYMPUS Digital Camera Updater“からダウンロード後、専用のインストーラでインストールするアプリを使って行います。パソコンがインターネットに接続していることが前提になります。
始めて、アプリを起動してみた時、ちゃんとUSBケーブルでカメラと接続しているのに、アプリがカメラを認識してくれないので、おかしいなあ?と悩んでしまったのですが、
実は、カメラの液晶ディスプレイ上で、”ストレージ”を選択してOKしないと、接続が完了しません。カメラを購入した時は、バリアングル液晶ディスプレイが閉じていたので、ディスプレイ上に表示されている選択メニューに気が付きませんでした。
ファームウェアのアップデートを行う場合は、”カメラのアップデート”項目を選択します。
インターネットから、最新のファームウェア情報を自動的に取得します。
マイクロフォーサーズという規格が凄いところは、他社製のレンズをカメラに装着していても、カメラ本体を介してファームウェアをアップデートできるところです。
ブログ記事を執筆時の最新ファームウェアは、カメラ本体がVer.1.3。
ファームウェアのアップデート処理が完了すると、液晶ディスプレイに”OK”と表示されます。
カメラの電源をオフ・オンすれば、ファームウェアのアップデートが完了します。
同様に、レンズのファームウェアもアップデートします。
ブログ記事を執筆時の最新ファームウェアは、レンズがVer.1.2。
さ、これで、フィールドで撮影する準備が整いました。
(7) RAWで撮った写真の管理は大丈夫なのか
今年に入ってからは、どのカメラでも”RAW“で写真撮影を行っています。その理由はシンプルで、”JPEG“と異なり、撮った写真の現像がし易いからです。ヒコーキの写真を撮る環境って、必ずしも快晴でクリアーなコンディションの時ばかりではないので、現像でリカバリーできる余地の多いRAW形式での記録は、POOHのような素人カメラマンには無くてはならない仕組みだと思っています。
ただ、RAWで撮影した写真ファイルは、カメラメーカー各社が独自にリリースしている現像アプリならともかく、市販のアプリやサービスを利用しようとすると、必ずしも最適な記録形式とは言えないかも。
OM-D E-M1 Mark IIで撮影した写真ファイルのファイル識別子は”ORF”です。
まずは、定番中定番アプリ”Adobe Lightroom“なら、全く問題なく表示もできますし、勿論、現像もサクサクできます。
一方、一部のRAW形式のファイルもサポートしている”Amazon Drive“ですと、”ORF”も写真ファイルとしてアップロードができるものの、残念ながら、写真を表示することはできません。写真ファイルとしてクラウド上にバックアップできるので、ま、いいでしょう。サポートファイルの詳しい説明は、アマゾンのヘルプページ”RAWファイルについて“で確認して下さい。
(8) 旭川空港で試し撮りをしてみました
オリンパスのミラーレスカメラを使うのは、今回が全くの始めてなので、慣れるまで、ちょっと時間がかかるかもしれませんが、兎にも角にも使ってみて手に馴染ませることが大切なことなので、当分の間、一眼レフカメラとミラーレスカメラの両持ちて、いろいろ試してみようと思っています。
で、今年最初の海外のエアショーに向けて、ぶっつけ本番っていうわけにもいかないので、先日、北海道旅行に行った序に、”旭川空港“で試し撮りをしてみました。
この日の天候は、曇ベースで、決してベストなコンディションではなかったものの、被写体は民間航空機なので、単写と静音連写の各モードで撮影してみました。ちなみに、いずれもRAWです。
まずは、単写。望遠で260mm付近で撮影してみましたが、ディテールもクリアでいい感じ。こういった風景の場合、ファインダー内で水平器を常時表示できるのが有り難いですね。
続いて、静音連写。望遠端の400mmからスタートして、レンズの使い勝手も含めてチェックしてみました。まずは、静音モードって、不気味なほど、シャッターを押している感触がなくて振動もない。そして、何より、一眼レフカメラのような連写時のちらつきがないので、ターゲットを追いやすいですね。連写を終える都度、若干のタイムラグがありますが、これは設定で調整できるかも。気になった点は、レンズのズームリングの調整が固め。この点は、使い込む過程で、徐々にスムース感が出てくるのかなあ?
当日撮影した写真は、”FlyTeamのチャッピー・シミズ マイページ”(チャッピー・シミズは、POOHのハンドルネームです)で公開していますので、興味がありましたら、そちらをご覧下さい。
今後、フィールドで実際に使い込んでみて、ある程度、感触が掴めたタイミングで、改めてレビュー記事をTALKしてみるつもりです。お楽しみに。
OLYMPUS オリンパス ミラーレス一眼カメラ OM-D E-M1 Mark II ボディ |
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