最近、”Raspberry Pi 3でつくる IoTプログラミング”を読んでみました

最近、”Raspberry Pi 3でつくる IoTプログラミング“を読んでみました。

本書は、Raspberry Pi 3、Windows 10 IoT Core、Visual Studioという組み合わせで、手軽なIoT環境作りにフォーカスした入門書。ま、これだけ旬なワードが並んじゃうと、ついつい読んでみたくなりますよね。でもね、この本、入門書とは言えません。確かに、Raspberry Pi 3、Windows 10 IoT Core、Visual Studioで、IoTを実現するという視点では、大まかに言って入門編なのかもしれませんが、一般的に言う入門編に不可欠な分かり易く丁寧な解説、という内容にはなっていません。一例をあげると、全般的に、Raspberry Pi 上の画面サンプルなのか、Windows 10 PC側の画面サンプルなのか分かりづらかったりして、最初から戸惑ってしまいます。と言うのも、Windows 10 PCからRaspberry Piにリモート接続するという大前提に触れるタイミングが、ある程度、読み進めてからだったりするから。更に、Visual Studio上でプログラミングする場面でも、Visual C#に関する説明もなければ、サンプルコードに関する説明も殆どありません。ところどころ、コラム的に、初心者にも分かりやすいような説明を加えている箇所もあるのですが、肝心なところをすっ飛ばしているので、初心者にはチンプンカンプンだと思います。というわけで、初心者にも分かりやすい、という観点で評価すると、ほぼ0点の指南本です。但し、Raspberry Pi 3、Windows 10 IoT Core、Visual Studioについて、ある程度、理解できている方からすれば、まさにIoTの入門編として読んでみる価値はあると思いますし、POOHのように、長年、プログラミングをしている者からすれば、Visual C#のサンプルコードも、Swiftっぽい流れなので、少しは分かったりします。それにしても、サンプルコードの説明が雑過ぎると思いますけどね。あくまで、ある程度の経験値を積んだ方には、オススメの一冊ですが、これをスターターとしようと思っている方にはオススメできない一冊でもあります。こういった本を編集、企画する出版社サイドとしても落第点になってしまった一冊であることも間違いありません。テーマが良いだけに残念ですね。

ホームページ”THE POOH FILES”にも是非お立ち寄り下さい。