App Store公開に向けた申請の苦難（メモ）

今回、iOS向けのApp Storeに5本の新規アプリを公開すべく、アップルさんに申請の手続きを行ったんですが、話には聞いていた”Reject”(拒否)を3本のアプリについて食らっちゃったので、同じミスをしないように、その時の対応方をメモっておきます。

今回、Rejectされた3本のアプリの主な理由は、「使い方がいまひとつ分からないんだけど？」(2本)と、「これ、バグじゃないの？」(1本)という内容でした。

まずは、「使い方がいまひとつ分からないんだけど？」というReject理由への対応から。

今回のアプリは、いずれも日本国内のユーザに向けたアプリだったので、他の国の方には殆ど役に立たないアプリ。ということで、日本のApp Store向け限定の申請をしたので、実のところ安心していたんですが、POOHの誤算は、アップルさん側でアプリをレビューしている方々は、カリフォルニアで仕事をしているということでした。つまり、自分は日本人なら分かるだろうと思っていて、アプリの説明文やマニュアル、機能面で日本国外のユーザを考えずに作っていたんですが、そういうことは関係なく、どんなユーザが始めて使った時、そのアプリの使い方がすぐに理解できるかどうか？という観点がレビューには入っているみたいです。

そんなわけで、Rejectの理由を見れる画面では、アップルさん側から、このアプリが正しく動くことを示すために必要なパスワードと、デモビデオを送ってくれないと、レビューを続けられない、という内容でした。

今回は、銀行のパスワードがマストだったので、それは送れないよ、っていう返事とか、動作しているところをデモビデオで送るといった返事をしたわけですが、ここで困ったのが、iPhoneでアプリが動いているところをどうやってビデオで撮ればいいのか？っていうところ。マックだったら簡単な操作だけど、iPhoneでは経験。そんなわけで、ネット上でいろいと調べたところ、iOSのシミュレータで使える動画キャプチャ用のツール”iPhone Simulator Capture”がリリースされていることが判明したので、早速、インストール。ただ、このツール、ソースコードで提供されているので、個別にビルドする必要があるのと、”SIMBL”を別途インストールしなくちゃならないことが、ちと面倒なところ。

続いて、「これ、バグじゃないの？」というReject理由への対応について。

こちらは、実はバクじゃないんだけど、日本国外でiOSアプリを実行すると、POOHが想定していなかった動作結果を生じてしまい、始めて使ったユーザが戸惑うということ。この点について、アップルさんからは、詳しい動作環境を説明したうえで、キャプチャ付きでバグと思われる内容を丁寧に指摘してもらいました。いやー、頭が下がる思いです。

上のキャプチャからも分かるように、レビューはカリフォルニアで行なっているようですね。そうなんです。普段、日本人に囲まれている生活環境だと、国外でアプリを動かすというポイントを見過ごしがちなんですよね。そんなわけで、日本国外で動作させた場合の考慮を加えたうえでアプリを改造したのと、日本国外では正常に動作しない向け、説明文とマニュアルに追記しました。

あ、ここでひとつポカしちゃいました。Rejectされたので、前回アップロードしたバイナリーを新しいものに差し替えようとしたんですが、誤って申請したもの自体を削除してしまいました。トホホ。一旦、アプリを削除してしまうと、レビュー中であっても、同じアプリ名やメタデータを再利用できないんですね。そんなわけで、アプリ名他を変更する作業も発生してしまい、かなり落ち込みました。この点は、今後も注意が必要だな！！

今回、分かったことですが、アップルさんは、ユーザの体験が素晴らしいものになるために、想像以上の手間とコストをかけて、公開を申請してくるアプリをきっちり審査していることです。これは、他のベンダーさんでは決して真似ができないことだと思います。ま、作り手側からすると、今回のプロセスは正直面倒でしたが、アプリを使う側からすれば、こうした厳しいレビューを経たアプリだからこそ、安心してアプリを使えるわけだし、アップルさんが目指すマニュアルなしで快適にアプリを使える体験を提供できているんだと思います。今回、こうした経験をして、ユーザ満足度の向上の一端を垣間見ることができましたし、改めてアップルさんの素晴らしい側面を再確認できた次第です。いやー、素晴らしい！！