新型コロナ対策、イギリス旅行で感じた水際対策のチグハグさと国内外の温度差の大きさなど

3年ぶりに、イギリスで“Mach Loop”、“The Royal International Air Tattoo”などを楽しんできました。旅行に関する詳しいブログ記事は後日公開する予定ですが、今回は日本国内でも猛威を振るっている新型コロナにフォーカスした海外旅行事情について、少しだけお話をしようと思います。

 

まず最初にイギリスの日常についてです。端的に言うと、新型コロナの真っ只中と思わせる対策は全く実施されていませんでした。

どれだけ密な状態でも、マスクは勿論のこと、アルコール消毒の機会すらありません。全くのフリー!

室内でも同様です。だれひとりマスクをしている人はいません。(旅行中、ごく例外的にマスクをしている人を数人見かけましたけど…)

といった状況ですが、決してイギリス自体、無傷ではなく亡くなられている方たちが相当数おられるそうです。ただ、イギリス人に話しを聞くと、何度もワクチンを打っているので、何となく不安が薄らいでいて、周りの様子も手伝って、防衛策を講じる人はほぼ皆無、ということでした。つまり、はっきりした根拠はないけど、周囲の雰囲気に流されているみたいです。仮に、日本国内がこんな感じになってしまったら、恐ろしいなあと正直思いました。

それから、行きのフライトでは日本人はマスクをしていましたが、帰国時には、空港、機内ともにマスクをしている日本人は、我が家を除き皆無でした。つまり、イギリスに滞在中、日本人ですら、マスクをせずに旅行を楽しんでいたわけです。ま、周囲がノーマスクなので、逆にマスクをして浮いてしまうのが嫌だったり、旅行中、ヨーロッパ中は熱波で灼熱の暑さだったのでマスクをしずらい、ということなんだろうと思います。とは言え、感染予防をしなかった日本人(外国人も)が大量に日本に帰国するわけなので、発症前の日本人が自宅や職場に戻るということを意味します。つまり、既に日本の水際対策は全く意味がない!ということを意味しています。

 

次に、帰国時に義務づけられている”My SOS”というアプリの登録作業についてです。

イギリスを出発する72時間前までに、イギリス国内でPCR検査をやって陰性を証明するといった制度を、アプリを使って実施しています。

我が家は、旅行のスケジュール的に、イギリスを出発する24時間前にPCR検査を受けました。

事前に予約したPCR検査場に向かいましたが、メチャメチャ不便な場所にありました。とても、旅行の途中に立ち寄れるような便利な場所ではなく、検査のために旅行のルートを一部変更する必要があったほどです。

新築の家を建設中の敷地内にある

小さな仮設の小屋に、係りの人が待機していました。あくまでも、暫定的な施設で、近いうちに撤去されそうな感じがしました。

他の日本人の家族に聞いたところでは、ニューヨークでも予約した検査場がなくなっていたり、検査する会社が変更になっていたりして、全体的にPCR検査の施設が大幅に縮小傾向にあるんだそうです。加えて、PCR検査場のオープン時間も限定的なので、旅行中に気軽に検査できるといった状況ではありません。

この日は午前中に検査を終えたのですが、データをリバプールに送って解析するため、メールで結果が送られてくるのは深夜になるということでした。

深夜に送られてきた検査結果です。

この書類を”My SOS”アプリに登録する流れなのですが、書式が厚生労働省が求めるものでないとアプリに登録しても書式外ということで受け付けてくれません。

我が家の場合、最初にイギリス仕様の書類が送られてきたので、メールでやりとりして厚生労働省の書式で送り直してもらいました。これ、深夜の作業なので精神的にも切れそうになりました。

正しい書式の検査結果をアプリに登録すると、数分でこんな感じの画面になります。

我が家はJALを利用したので、ヒースロー空港のチェックインカウンターで”My SOS”アプリの画面をチェックする流れになっていましたが、

もしかすると、他のエアライン(JALとANA以外)では、ヒコーキに搭乗する前のチェックはやっていないのかもしれません。

と言うのも、羽田空港に到着後、”My SOS”アプリ画面に色に応じたラインが設けられていたからです。つまり、陽性またはPCR検査を未受診の人たちが入国してくる、ということなんだと思われます。

それと、我々の想像を遥かに超えた人員が”My SOS”アプリ対応要員として投入されています。”My SOS”アプリ対応のコストは、軽く億円単位だと思います。

以上が、旅行者から見た新型コロナ対策の実態です。

日本国内でも、コロナ感染が急拡大していますが、今後、海外からの帰国者や観光客などが増えていくなか、現状を遥かに超えた感染状況が現実のものになっていくはずです。

個人的な見解ですが、”My SOS”アプリ自体は有効な手段のひとつだと思いますので、”My SOS”アプリ画面がブルー以外の人たちの再入国や観光客を、出発地の段階で厳格にコントロールすることが必須だと思います。これこそが水際対策であり、出発地でコントロールできないのであれば、”My SOS”アプリの運用は形骸化、あるいは破綻していると言わざるをえません。ただ、現在のルールでは、”My SOS”アプリ画面がブルー以外の場合は、10日間の待機期間を求めらます。実際のところ、海外で10日間の足止めができるはずもなく、はなから”My SOS”アプリを無視、あるいはPCR検査で陽性となってもその結果を無視、その結果、陽性またはPCR検査を未受診の人たちが入国してくる、ということになっているのだと思います。帰国のタイミングで、10日間の待機って、普通に考えても無理ですよね。金銭面は勿論のこと、宿泊先の予約、仕事や学校のこと、どこをどう切り取っても無茶ぶりなので、そもそも非現実的な待機要請をするのではなく、帰国後に出来る範囲での対応を求める以外に手段はないと思います。とにかく、海外はノーマスク、ノーアルコール消毒なので、感染することを大前提に日本人の出国や海外からの入国を認めざるを得ないのが現実的な答えだと思います。経済を回したいと政府が舵を切った時点で、全ては後の祭り、ということですよね。

それから、海外でPCR検査を受ける施設が縮小傾向にある実態を厚生労働省も真剣に捉えて、”My SOS”アプリの運用を求めるのであれば、PCR検査とセットで渡航者のケアをしないと、やはり陽性またはPCR検査を未受診の人たちが入国してくる、という流れになってしまうのだと思います。旅行先などで十分な時間があり、レンタカーなどで自由に移動できる、といった状態でないと、PCR検査場で検査を受けるのは極めて困難な状況に変化しています。空港に日本に入国する人たち専用のPCR検索施設を作り、1時間ぐらいで検査結果を出せるぐらいの体制を作らないと、”My SOS”アプリにどんだけお金をかけて運用しても、インフラ不在のアプリ運用ということになってしまいますし、事実、そうなっています。

既に日本の水際対策はほぼほぼ破綻していると思いますので、感染対策に膨大な税金をかけるのであれば、少しでも効果がある水際対策を推進する努力をすべきだと思います。

最後に言いたいのは、日本のお役人たちは、一旦制度を作ったら、それで終わりというスタンスが明確に出ています。状況の変化とか制度の効果測定などは一切せずに、確保した予算を使い切るという、いつもの悪い癖がコロナ対策にも出ていると言って間違いないと思います。こういった疾病対策は、状況の変化を常にフォローして、一体何がベストなのか常に軌道修正しながら対策を推進する、というスタンスがないと、単なるお金の無駄遣いですし、いま起きているように日々感染者が増え続けることに対応できないんだと思います。とりわけ、所謂、専門家や有識者と呼ばれる人たちは、全く現状を理解できておらず、世の中で最も愚かな人たちだと思います。

 

p.s>

日本には疾病対策センターとか危機管理局などがないので、疾病対策に関して素人な役人が、アホみたいなコストをかけて専門家を名乗る会社や人に丸投げ状態なんだと思います。

いまからでは遅すぎる感はありますが、未来のために、疾病に関する国家組織を早急に整備すべきだと思います。

 

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tomohiko

長年に渡りMacintosh向けの自作アプリを作り続けているPOOHです。最近はiPhone,iPad向けアプリ開発にも挑戦中。グルメ、旅行、露天風呂、写真、サイクリング、映画、STAR TREKが大好き。レトロでSFなおもちゃを大量にコレクション。プレーリードッグと同居中。

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