ラズパイ + openmediavault + 玄人志向 HDDケース + WD HDD + FreeFileSync でお手軽だけど最強のNASを構築!
“Raspberry Pi 4でNASを構築できるopenmediavaultを試してみました”の続きです。
先日のTALKで、使い道がなくなり余っていた“Raspberry Pi 4”と、保管していた“Western Digital ウエスタンデジタル 内蔵 HDD”をベースに、“openmediavault”を使ってお手軽なNASシステムを構築した経緯をお話ししました。
構築している途中、いくつか試行錯誤する場面はありましたが、最終的にNASのIPアドレスをスタティックにしたことで、とっても安定したNASを稼働させることができました。今回使っているハードディスクの容量が3TBもあるので、プログラム開発やブログ記事を書く際に使う諸々の作業用ファイルを、複数のマックで共有する目的で、NASを本番稼働させることにしました。
今回のTALKでは、NASを本番運用するにあたり準備した内容をご紹介します。
< ハードディスクのケースを用意 >
お試し期間ではハードディスクむき出しのケースを使っていたので、ちゃんとしたケースにハードディスクを収納することにしました。幸い、アマゾンのタイムセール祭りで、
“玄人志向 HDDケース 3.5型対応 USB3.2 Gen2 接続 最大16TBの大容量HDDに対応 / シンプル&スタンダード USB外付 HDDケース GW3.5AM-SU3G2P”が1.734円という破格の値段で販売していたので購入しました。
こちらの製品は、USB3.2 Gen2 接続で16TBまでサポートしてのでスペック的には申し分ありません。しかも、USB-AとUSB-Cそれぞれのケーブルが付属しているので、将来に渡り使い勝手が良い製品だと思います。駆動音はとても静かで熱でケース本体が熱くなることもありません。このケースは買って正解でした。
1点だけ惜しいなあと思ったところは、アクセスランプがケースの後ろ側にあるということ。恐らく、回路設計時にコストダウンを狙った結果だと思いますが、欲を言えば、アクセスランプはケースの前面に欲しかったです。
加えて、パソコン本体と電源のオンオフが連動できるので、“openmediavault”の消費電力のコントロール機能を有効活用できます。
< ファイルの同期処理を完全自動化 >
今回のNAS運用では、プログラム開発やブログ記事を書く際に使う諸々の作業用ファイルを保存して、複数のマックで共有することが目的なので、NASに保存するファイルをマックから自動的にバックアップする仕組みが必要です。
今回は、無料 (ドネーションあり)で使用できる“FreeFileSync”を使わせてもらうことにしました。“FreeFileSync”のセットアップや使い方などはネットを検索して下さい。
今回は”ミラー”方式で同期処理をするように設定しました。
同期処理の実行時にエラーを無視する設定にしておいても、発生したエラーは処理終了後にログ画面で確認できます。今回派生したエラーはいずれも特定のディレクトリ内のアクセス権による処理の失敗ばかりでした。アクセス権絡みのエラーは古いファイルなどで発生することがあるので、後でログを確認して手動で対応すればOKです。
使い勝手は最高に良いです。有料アプリを使う前に、是非、試しに使ってみて下さい。
ちなみに、最初にすべてのファイルを同期処理する際に消費したラズパイ側のリソースは思ったほど大きくはありません。とりわけメモリは4GBのうち10%台の消費に留まっています。CPUも平均すると30〜40%といった感じです。
更に“FreeFileSync”の使い勝手を向上させるために、ファイルの同期処理を完全自動化することにしました。
“FreeFileSync”の操作画面にある”一括ジョブで保存”で、バッチ用の設定ファイルを作成します。このファイルをダブルクリックすれば、“FreeFileSync”が起動してファイルに保存されている同期処理を実行できます。
このファイルを適当な場所に保存した後、”Automator“を起動し、”カレンダーアラーム”という種類の書類を新規に作成します。
先ほど作成した“FreeFileSync”の設定ファイルを”Automator”の画面にドラッグ&ドロップし、カレンダーに表示する名前を入力したうえで保存を実行します。
最後に、”カレンダー”アプリで今日のイベントとして設定された“FreeFileSync”の同期処理のスケジュールを設定します。下の例では、毎日20時に“FreeFileSync”の同期処理を自動的に実行するよう設定しました。そうすれば、一日の作業で作成、変更されたファイルを自動的に“openmediavault”のNASディスク内にバックアップできます。ちなみに、”カレンダー”アプリに登録した“FreeFileSync”のイベントは、自動実行するマックの”カレンダー”にのみ表示され、iCloudでは連携されないので、他のマックやiPhoneの“カレンダー”には表示されません。こういった細かな配慮はアップルらしいですよね。
で、実際に実行してみると、指定した時刻になっても実行を開始してくれません。いろいろ設定を変えてみたのですが、現時点では成功せずといった感じです。
“Automator”の”カレンダーアラーム”でうまくいかないので、”Automator”の”アプリケーション”を作成して、
普通に、”カレンダー”アプリで通知をカスタムの”ファイルを開く”にして作成した”Automator”の”アプリケーション”を登録してみました。念のため、カレンダーに登録する前に、事前に作成したアプリを実行して動作を確認しておきました。
そうしたら、今度は問題なく指定時刻に実行してくれるようになりました。個人的には未確認ですが、カレンダーに登録したアプリはマックがスリープ時にも実行できるそうです。
如何ですか。手元に余っているラズパイとハードディスクがあれば、ドネーションを除き、2千円ぐらいで立派なNASシステムを構築できました。
勿論、高額なコストで完成度が高いNASドライブを買えるわけですが、NASの使い勝手や活用シーンを試行錯誤する意味で、今回のような簡易的だけど実稼働上安定したNASを構築して、いろいろと試してみるのも良いかと思います。ちなみに、POOHは、今回構築したNASに大満足しているので、このまま本番運用で使っていくつもりです。
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しばらく運用してみて、足りない手順があるのに気がつきました。
それは、NASドライブのマウントです。NASドライブのマウントしていなと、“FreeFileSync”を自動的に起動してもバックアップ前にエラーになってしまいます。
そこで、”Automator”でNASドライブのマウントを自動化するアプリを作成して、FreeFileSync”が起動する1分前にマウントを済ませるように改良しました。
NASドライブのマウントを自動化するアプリは、macOSのセキュリティでチェックされますので、実運用前に一度実行してアクセス許可をしておいて下さい。
NASドライブのマウントを自動化するアプリは、NASドライブを利用するマックで自動ログインのアイテムに登録しておくと便利かと思います。
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