昨年買ったRaspberry Pi用のディスプレイ付き保護ケースでkawaii デジタルフォトフレームを実現 (1) “samba”
昨年買ったラズパイ用のディスプレイ付き保護ケース (“Raspberry Pi用のディスプレイ付き保護ケースを買ったので久しぶりにラズパイ再始動!”)が、その後、放ったらかしになっていたので、折角購入したモノを無駄にしないためにも、その活用の仕方を考えていました。
それにしても、3.5インチのディスプレイをラズパイのGPIOに直差しにしているので、ラズパイの得意技であるGPIOを使ったセンサー類を応用した活用の仕方はできません。加えて、ラズパイ純正カメラのケーブルを出す口もないので、カメラ周りの応用編もダメ。一見すると、ディスプレイ一体型のラズパイって、何かに使えそうな感じがしますが、いざ使い道を考えてみると、なかなか良いアイディアが出てきません。
いろいろ考えた結果、3.5インチのkawaii デジタルフォトフレームを作ってみることにしました。ただ、デジタルフォトフレームだけでは、ラズパイ本体が勿体ないので、これまで”Raspberry Pi Zero W“で運用していた”Flightradar24“のデータフィード機能も抱き合わせすることにしました。
< ラズパイに写真を保存するためにSambaを採用 >
デジタルフォトフレームを実現するために、まず考慮すべきポイントのひとつが、デジタルフォトフレームに映す写真の保存方法です。
今回は、同じラズパイで”Flightradar24“のデータフィード機能が同時に稼働するので、出来るだけネットワークのトラフィックは減らしておきたいので、写真はラズパイ本体にローカルで保存することにしました。でも、写真の管理とリサイズ処理などは”iMac Pro“で行うので、用意する写真はマックからラズパイに転送するのが一番リーズナブルです。そんなわけで、今回はmacOSで標準サポートしている”Samba“を利用して、マックとラズパイとの間を共有することにしました。
マック側は何も準備しなくても”Samba”が使えるので、ラズパイ側に”Samba”をインストールします。
ラズパイ側の”Terminal”で、以下のコマンドを順に実行すれば、”Samba”をインストールできます。
sudo apt-get update && sudo apt-get upgrade
sudo apt-get install -y samba
“Samba”をインストールする途中に、以下の画面が表示されますが、<いいえ>を選択して下さい。
“Samba”のインストールが終わったら、写真を保存するフォルダ “今回の作例ではslideshowという名前のフォルダ”を作成して、フォルダに実行権を与えておきます。
mkdir slideshow
sudo chmod 777 slideshow/
続いて、”Samba”の設定ファイルを編集します。
sudo nano /etc/samba/smb.conf
設定ファイルの末尾に、以下の内容を追記して保存します。
comment = Raspberry Pi slide show
path = /home/pi/slideshow/
guest ok = yes
read only = no
次に、マックからラズパイ上の”Samba”にログインするために必要なユーザとパスワードを作成します。今回は、ラズパイ上に既に存在する”pi”ユーザにパスワードを設定します。
sudo smbpasswd -a pi
最後に、”Samba”をリスタートさせます。以降、ラズパイを再起動する都度、自動的に”Samba”を利用できるようになります。
sudo systemctl restart smbd.service
ここから、マック側の話です。
“Samba”を使って、マック側からラズパイにアクセスする一番簡単な方法は、”Finder”メニューの”移動”メニューにある”サーバへ接続…”を利用する方法です。
画面上の入力欄に、
smb://ラズパイのIPアドレス または
smb://ラズパイで設定したHostname (作成ではsmb://jemma.local。)を入力した後、”接続”ボタンをクリックして下さい。
確認画面が表示されるので、”接続”ボタンをクリックして下さい。
すると、ラズパイにログインするための認証情報を求められますので、先程ラズパイ側で設定した”Samba”にログインするために必要なユーザとパスワードを入力したうえで、”接続”ボタンをクリックして下さい。
アクセスが許可されると、マック上にマウントするボリュームを選択する画面に切り替わるので、”pi”を選択して”OK”ボタンをクリックして下さい。
マックのファインダ上に、ラズパイがマウントされました。後は”slideshow”を選択して、準備しておいた写真をドラッグアンドドロップ操作で転送するだけです。
なお、折角、マウントしても、マックを終了したり、再起動すると、マウントが解除されてしまいます。毎回、上記の操作手順を繰り返すのは面倒ですので、マックのデスクトップ上に表示されているラズパイのフォルダのエイリアスを作成しておけば、以降、エイリアスをダブルクリックするだけで再マウントできるようになります。
< スライドショーする写真を自動的にリサイズ >
これは余談ですが、今回購入した3.5インチディスプレイの解像度は320 x 480なので、スライドショーのために準備する写真のサイズも小さくて良いわけです。
幸い、macOSには”Automator“というワークフロー自動化アシスタントが標準で用意されているので、このアプリを活用しない手はありません。
POOHは、下図のようなスクリプトを作成して、アプリケーション形式で保存して愛用しています。このようなスクリプトを用意しておけば、写真をスクリプトにドラッグアンドドロップするだけで、横幅が500ピクセルにリサイズした写真をJPEG形式で所定のフォルダに保存してくれます。便利ですよ!
さて、今回のTALKではSambaを利用できるようになる前を解説しました。明日のTALKでは、ラズパイに保存した写真を使って、実際にデジタルフォトフレームを稼働させる方法について解説します。お楽しみに!
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