iPhone 4のアンテナ問題に関するカンファレンス
世の中で騒いでいるiPhone 4のアンテナ問題に関するカンファレンス”July 16 Press Conference“をストリーミングビデオで観てみました。
今回の問題に関しては、アップル初のリコールにも発展する可能性を秘めていただけに、このカンファレンスは見過ごすことができませんでした。実際に観た後の感想ですが、ここ最近のアップルって、明確なスタンスでしっかりユーザをグリップする企業になったな、っていう好印象です。確かに、アンテナ問題自体は、一部のユーザにとって無視できないトラブルなのかもしれませんが、この問題に対するアップルの明快な答えを、ジョブズ氏自身の言葉で世の中にリリースする姿勢にビジネスマンの一人として感銘を受けました。とかく、この種の企業リスクに対しては、プレスを前に深々と頭を下げる図を想像しがちですけど、今回のカンファレンスでは、とってもクリアなデータで真正面から説明責任を果たしていますよね。これだけ明確なステートメントなら、誤った報道や憶測を避けることができるはず。しかも、昨日以上にアップルの製品に信頼を寄せるユーザが増えることは間違いないんじゃないかな。
実は、いま、スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン―人々を惹きつける18の法則という本を読んでいることもあって、今回のプレゼンを以下のように自分なりにメモってみました。プレゼンを通じて、自社が伝えたことを如何にすればメディアに伝えることができるのか、っていう視点で、こうしたカンファレンスを観てみると、自分自身の勉強にもなりますしね。カンファレンス全体の流れは以下のような感じなんですけど、結局のところ、
・この問題はスマートフォン全般の課題なんだよ。
・決して多くのユーザが不満を持っているわけじゅないんだ。
・でも、アップルは最善の努力で最良のアクションを起こすよ。(だから安心してよ)
っていう3つのポイントを伝えたいんだということが分かります。
以下は、メモです。
“携帯電話は完璧じゃないよ” = “アンテナ問題は業界共通の課題なんだよ”
<他のスマートフォンでも同様の現象がおきるだよ(ビデオで検証)>
<多額の調査コストと見識者の投入で徹底期に取り組んだよ>
↓
“実際の顧客満足度は、決して悪くないんだよね”
<クレーム率、返品率、受信品質といった実データが証明している>
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”ご僅かのユーザの不満だけど、アップルは全てのユーザをケアーするよ”
<誠意のあるアクションをするよ、バンパーケースの無償化、ソフトアップデート>
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”バンパーケースの供給の都合もあるので、他の選択肢もオファーするよ”
<購入から30日以内なら全額返金するよ>
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”というわけで、今後も自信をもって販売を拡大する決意なんだよ”
<ホワイトモデルの投入と販売エリアの拡大を進めるよ>
↓
“最後に言いたのは、アップルは自社の顧客を大切に思っているということだ”
<リテール店舗等を通じてしっかりユーザサポートをするよ>