スティーブン・キング原作の「ミスト」という映画があった。異次元とつながってしまった小さな町が得体のしれない霧に覆われ、その霧の中から、この世の物ではない生き物が現れ人々を食らってゆくという、なんとも不気味で恐ろしいストーリーだった。しかし、異次元の怪物よりも更に恐ろしいのは、極限状態の人間の殺し合い、魔女狩りの集団心理だというメッセージが強く、悲壮感と絶望に打ちのめされながらも、「人間とは」を考えさせられるエンディングだった。今朝、マンションのベランダからは、まさに「ミスト」の世界。異次元から怪物の触手が伸びてきそうで不気味だった。